課題名 |
リスク評価のための137Cs等放射性同位元素の平常時モニタリング |
課題番号 |
2003004095 |
研究機関名 |
農業環境技術研究所
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研究分担 |
農業環境技術研究所 環境化学分析センター 放射性同位体分析研
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協力分担関係 |
農工研
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研究期間 |
継続2001~2005 |
年度 |
2003 |
摘要 |
米麦や土壌中の137Cs、90Sr濃度は減少傾向を示し、極低レベルであった。シイタケの137Cs濃度が高い要因として、栽培用原木からの吸収に由来する可能性が示唆された。核燃料再処理時に排出されるおそれのある放射性ヨウ素129Iの挙動を予測するため、127I(ヨウ素)の存在形態、形態変化、分布等の動態解明を行った。カラム試験で、土壌と収着しやすいIO3-は土壌吸着された場合NO3-によって30%以下しか溶脱されないことが示された。一方還元力のあるNO2-によっては形態がI-になって溶脱しやすくなることが、X線吸収端近傍構造から明らかになり、還元状態でのヨウ素の溶出が示唆された。そこで表層土壌の酸化還元電位と密接な関係にある田面水位から表層土壌水中ヨウ素濃度を推定するモデルを開発し、モデルによる推定値と4年間の圃場試験結果を比較したところ、両者は概ね一致した。このことは水田の水管理状況がわかれば、水田からのヨウ素流出が予測できる可能性を示している。北海道の水田地帯と畑作地帯で、河川のヨウ素濃度を測定した結果、水田地帯のみで下流域のヨウ素濃度が顕著に高まっており、水田がヨウ素の排出源となっていると考えられた。これらの結果をコンパートメントモデルに適用させることによって、広域的ヨウ素動態モデルが構築できると考えられる。また、大型の燃焼管を試作することによって、従来法より約5倍量のヨウ素の捕集を可能にし、微量の129Iを測定する基礎的技術が出来た。(主要な査読論文)Yamaguchi et al., Soil Sci. Plant Nutr., 49(4), 551-556 (2003)
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カテゴリ |
しいたけ
水田
分析技術
水管理
モニタリング
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