課題名 |
家畜ふん尿の循環利用に関する経済分析 |
課題番号 |
2005006678 |
研究機関名 |
農林水産政策研究所
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研究分担 |
農林水産政策研究所 地域振興政策部 地域資源研究室
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研究期間 |
完了2005-2005 |
年度 |
2005 |
摘要 |
農林業分野において環境負荷的な産業と考えられてきた畜産業が『家畜排せつ物法』の施行により、環境汚染(窒素流出、悪臭)が改善されたとの評価を得ている。一方で、堆肥の需供関係に大きな乖離があり、余剰堆肥の蓄積ばかりが進み、循環利用が妨げられている。本研究では、堆肥を中心にした有機性資源を循環利用・促進させるような諸条件を定量的に明らかにし、問題点を解決することを目的とする。調査を行った埼玉県内の畜種ごとのふん尿発生量と処理状況をみると、ふん尿の発生量は年間で63万トンであり、このうち約40万トンが堆肥化されていた。このうち、鶏とブロイラーの堆肥化率が高く、肉用牛と乳用牛の堆肥化率が低かった。聞き取り調査の結果、牛糞は水分含有率が高いこと、発酵分解されにくい敷き藁などが混入されているため、製品化コストの面や堆肥としての品質の問題から堆肥化率が低くなったと考えられる。また、堆肥化処理されたふん尿の4割である15.9万トンが堆肥として商品化され、さらにその7割にあたる11.1万トンが市況に出回っていた。その差分の4.8万トンが余剰堆肥となり、堆肥舎などへのストックとなっている。堆肥の流通価格は2,500~10,000円/tであった。現在の価格設定は堆肥のストック量を増加させており、堆肥化の循環利用を阻害する可能性が高い。
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カテゴリ |
コスト
ストック
中山間地域
鶏
肉牛
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