b 水土保全機能の評価及び災害予測・被害軽減技術の開発

課題名 b 水土保全機能の評価及び災害予測・被害軽減技術の開発
課題番号 2006008655
研究機関名 森林総合研究所
研究分担 森林総合研究所 企画部
研究期間 新規2006-2010
年度 2006
摘要 ・ 長期間の森林変化が水循環に及ぼす影響を明らかにするため、釜淵(山形県)、宝川(群馬県)、竜の口山(岡山県)の3ヶ所の森林理水試験地の水文データと地形・地質・植生等の空間情報データの電子化を行い、施業等に伴う森林の変化が流域規模での水の循環や収支に与える影響評価のための体制を整備した。さらに、これを用いて予備的解析を行い、竜の口山試験地で流域の22%に当たる斜面中下部のヒノキ林の風倒害によって、水流出量が1.2倍に増加することを明らかにした。水資源対策が急がれる一方で水文情報が乏しいアジアモンスーン地帯のカンボジアにおいて、蒸発散量等の水文観測データの精度向上を図るとともに、土層厚分布等の水循環に関わる基本的特性を明らかにして、メコン川支流チニット川流域を対象に0.1度グリッド(100km2)の月別森林環境のデータセットを作成し、森林総合研究所のWebサイトで公表した。・ 中越地震による再活動型地すべりの移動特性を明らかにするため、新潟県伏野地すべり地の5ヶ所の観測値を解析し、降雨時の移動量が大きい地点ほど地震時の移動量も大きい傾向がみられ、地震による外力が地すべりに対して降雨と同様に作用することを明らかにした。土石流発生場の構成材料の違いによる流動特性への影響を解析するため、桜島の軽石と火山灰を用いてリングせん断試験や水路実験を行い、軽石と火山灰の混合した場合にみられる高い流動性の原因は、土砂内部の急速せん断に伴う体積変化や粒子破砕による過剰間隙水圧の上昇、火山灰の低透水性及び細粒分の懸濁による流体密度の増加等が複合した可能性が高いことを明らかにし、従来想定していなかった高い流動性を持つ土石流への対応の必要性を九州森林管理局に提示した。また、降雨や地震と土塊の移動量との関係解析から、地震誘因による再活動型地すべりの移動量を降雨誘因に置換して評価する手法を開発し関東森林管理局に提示した。
カテゴリ

こんにちは!お手伝いします。

メッセージを送信する

こんにちは!お手伝いします。

リサちゃんに問い合わせる