課題名 |
c 森林の保健・レクリエーション機能等の活用技術の開発 |
課題番号 |
2006008656 |
研究機関名 |
森林総合研究所
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研究分担 |
森林総合研究所 企画部
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研究期間 |
新規2006-2010 |
年度 |
2006 |
摘要 |
・ 全国の森林セラピー基地候補地等における森林浴実験により、生理・心理・物理・化学指標を用い森林のセラピー効果を総合的に分析する手法を開発し有効性を検証した。生理指標においては、森林浴の歩行および座観によりストレスホルモンが低下し、心理指標においては、森林浴の歩行後に「緊張‐不安」が和らぐ一方「活気」が高まり、気分がリラックスすることを示した。物理・化学指標においては、PMVによる温熱環境では夏季の森林は都市部に較べて涼しく、快適性が高いこと、フィトンチッド濃度の日内変動では、広葉樹の主要物質であるisopreneは昼間が多く、夜間に少なくなり、針葉樹の主要物質であるα-pineneは夜間が多く、昼間に少なくなることを示した。実験生理人類学に基づく環境要素と脳活動の関係解析では、前頭前野に対する10チャンネル近赤外時間分解分光法を用いた森林風景等の視覚刺激実験の結果から、視覚刺激時の各部位における酸素化Hb(O2Hb)濃度は上昇する部位と低下する部位に分かれることを示し、生理人類学的体系化に近づける成果を得た。・ 里山のランドスケープ空間構造の解析から、里山の主要な構成樹種の分布は標高、地形、河川からの距離などの自然的要因と集落民の資源利用や所有・管理形態等の人為的要因が組み合わさって絶えず変化しており、その結果多様な植生景観が形づくられていることを明らかにした。森林体験・教育活動に関するアンケート調査の結果から、対象とする雑木林や人工林等の林種、参加者の年齢階層と活動内容、期待する教育機能の間に偏りがあることを見出し、類型化につながる基礎的情報を得た。公的セクターによる里山保全の支援のあり方を探るため、自治体などによる支援促進制度のリストを全国規模で作成しその傾向を明らかにした。国有林の里山保全事業をテストケースとして、市民を含む委員会に計画と実行、評価の作業に一定の権限を持たせることで実効ある市民参加が実現出来ることを実地検証した。
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カテゴリ |
くり
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