a 林業の活力向上に向けた新たな生産技術の開発

課題名 a 林業の活力向上に向けた新たな生産技術の開発
課題番号 2006008658
研究機関名 森林総合研究所
研究分担 森林総合研究所 企画部
研究期間 新規2006-2010
年度 2006
摘要 ・ 森林所有権移転の実態と森林管理への影響を全国規模で分析した結果、(i)森林を売却する林家は、木材価格の低迷や林業後継者不在などの理由により、経営意欲を失った小規模林家層が中心であること、(ii)森林を購入する階層は、経営意欲のある小規模林家(北海道、東北、関東)や、素材業者(四国、九州)、転売目的のブローカー(東北、九州)などで地域性があること、(iii)皆伐跡地の再造林放棄は、売買多発地域やブローカーが介入する地域、負債整理の売却が多い地域などで見られること、などが明らかになった。今後、持続的な森林管理を進めるためには、経営意欲を失った森林所有者から意欲ある経営主体に、経営委託や森林所有権の移動を促す必要があると考えられる。その方策として、(i)森林組合の林地供給事業の拡充による売買情報の集約と仲介を行う森林売買情報センター機能の整備、(ii)意欲ある事業体への森林集中を促進する低利融資制度の強化、(iii)施業を実施しない所有者に対し補助金支給の停止や経営権の委譲勧告などの強制措置を講じること等の提案をとりまとめた。 ・ 放置人工林の拡大防止のため皆伐跡地の実態を調査し、再造林未済地は不在村所有が多くを占め、シカの食害により広葉樹の天然更新が妨げられていることを明らかにした。育林作業の低コスト化に向けヒノキ人工林の列状間伐後の林分構造の解析から、個々の残存木の成長は間伐方法の違いよりも元の個体のサイズと強い相関を持ち、隣接5m内の個体サイズの影響を強く受けることを明らかにした。モノレールの技術を応用し、急傾斜地での作業に適合した簡易レールシステムによる森林資源収穫システムを開発した。本システムは、レールの敷設・撤去装置、間伐材・末木・枝条等の木寄せ積込装置、無人運搬車両等で構成されるもので、レールの敷設・撤去、間伐材搬出功程等の解析結果から、作業の効率性や適用範囲を明らかにした。・ 森林計画への適用に向けた地域レベルの基準・指標の抽出手法に関し、国有林の森林計画区レベルの事業統計書や森林計画書に記載された過去数十年の統計情報をモントリオールプロセスの基準・指標に即して抽出・加工・変換し、長期的な時系列数値として整理する手法を構築した。自然科学的な指標のうち森林生態系タイプなど2つの指標は森林調査簿からの抽出・加工が必要であることが分かった。択伐施業区での更新実態の観測結果から、針葉樹(エゾ、トド)と広葉樹の稚樹の生育本数に大きな差が認められ、一度の択伐でも将来の林分構造に少なからぬ影響が及ぶことが分かった。択伐後の生物相の初期変化に関して、フクロウ類の観察結果から択伐施業がフクロウ類の生息環境に及ぼす影響の実態を示した。また、腐朽菌の変化について、択伐区での観察結果から択伐直後は種数の減少が起こりその後回復するが特定の種の出現数が増大し、その結果多様度指数の低下が生じる実態を示した。
カテゴリ 加工 経営管理 傾斜地 シカ 低コスト

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