課題名 | 担い手政策の実施が担い手育成確保と農地利用集積に及ぼす影響に関する研究 |
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課題番号 | 2006008446 |
研究機関名 |
農林水産政策研究所 |
研究分担 |
農林水産政策研究所 地域振興政策 農林水産政策研究所 地域振興政策 経営構造研 農林水産政策研究所 科学技術振興会特別研究員 農林水産政策研究所 地域振興政策 地域経済研 農林水産政策研究所 研究交流科 |
研究期間 | 単年度2006-2006 |
年度 | 2006 |
摘要 | 1.担い手への施策の集中が、担い手育成確保・農地利用集積に及ぼす効果を検討するため以下の点を明らかにした。1)品目横断的経営安定対策の秋まき麦の加入状況について集落営農のシェアと1集落営農組織あたり加入面積を県別に比較すると、A:九州他(大規模、大シェア)、B:東東北他(中規模、中シェア)、C:北陸・山陰(小規模、中シェア)、D:近畿中山間(小規模、大シェア)、E:関東他(中規模、小シェア)、F:西東北(小規模、小シェア)、G:麦の集落営農組織なしがある。2)集落営農組織の実態調査から以下の点を指摘できる。A地域:転作受託組織を基盤に組織化が行われ、福岡県a市では集落単位の転作大豆(一部稲・麦収穫作)の機械利用組合を類似組織に再編成、群馬県a地域では転作の受託組織を集落に包含させて類似組織を組織など、転作作業主体で稲作作業の一元化等の充実が課題である。B地域:集落ぐるみ型営農を再編成し、宮城県a農協管内では、集落単位のぐるみ型組織を合併させて経営を大規模化し、農用地利用改善団体と特定農業団体の二階建て組織に再編成、宮城県b農協管内では、ぐるみ型組織を類似組織に再編成し、麦・大豆作業の受託組織を法人化している。E地域:島根県a町では、旧村単位の機械共同利用がぐるみ型集落営農に発展し、それを特定農業団体に再編成、島根県b市では、集落が平均7.3haと小規模なため特定農業法人化を推進し、土地持ち非農家も含めて組織化。3)農地の面的集積、集落営農と認定農業者間での協調関係、集落営農での担い手の明確化については、以下の点を指摘できる。認定農業者が集落営農内に組織化される事例が多い。利用権設定を中途解約する貸しはがしの事例はなかったが、農作業受委託を個別担い手から集落営農へ変更する事例が少なからずある。担い手の明確化について、ぐるみ型組織は主たる従事者の特定には否定的であるが、受託型では作業者の特定化の進展が予想される。主たる従事者の所得確保には、現状の面積規模では小さく、組織の大型化(合併)、あるいは事業の多角化が必要であると判断されている。2.認定農業者の意欲と能力を定量的に把握する客観的指標の開発に関しては以下のことを明らかにした。1)既存のデータ(相対的な自己評価指標)を用いて、認定農業者の能力と意欲が経営に及ぼす影響について明らかにした。意欲(モチベーション)が経営に及ぼす影響について、意欲の水準は経営規模(販売額)と相関している。意欲水準が影響する分野は、将来の規模(販売額、面積)、法人化、多角化などが、1500万円未満、1500~5000万円規模層で有意であるが、5000万円以上層では有意ではない。5000万円以上層では、意欲水準が全体的に高く個人間での有意な差が存在しないが、5000万円未満層では意欲水準の個人差の影響が強く出現する。以上から、大規模層以外の認定農業者では個々人の能力や意欲の高低が農業経営の発展を左右する効果が大きく、能力や意欲を高めることの意義が大きいことがいえる。2)「意欲と能力」について、経営管理能力(目標設定・計画性、作業・労働環境整備、財務・資金管理、マーケティング・販売管理、コスト管理、情報収集・情報発信)とリーダーシップ、経営者意欲(モチベーション)とに細区分して指標化し、平成18年11月に、認定農業者約1000経営に対する調査を全国農業会議所を通じて実施した。 |
カテゴリ | 経営管理 コスト 大規模化 大豆 中山間地域 |