課題名 |
「二子いも」高付加価値生産に向けた培養苗生産技術開発 |
研究機関名 |
岩手県農業研究センター
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研究分担 |
応用生物工学
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研究期間 |
新H16~18 |
年度 |
2003 |
摘要 |
目的:さといも在来系統「二子いも」は北上市二子地区に伝わる地域特産品として有名である。平成13から15年度まで「21世紀型農業経営モデル実証試験地」事業の中で「二子いも」培養苗の特性を評価し、培養苗を定植した当年は「早生・増収・丸芋」のユニークな特性を示した。また翌年まで種芋として貯蔵した場合の貯蔵性に優れることも野菜畑作研究室の試験で確認されており、これらの特性は秋田・山形など他県先進地の事例によっても裏付けられている。15年度で事業が終了となるが、現地生産者の培養苗に対する期待が大きく、研究継続を要望されている。そこでこれまでの研究の蓄積を踏まえ、従来の種芋による生産体系の中で、ユニークな特性を持つ培養苗を効果的に用いた「二子いも」高付加価値生産技術を確立する。到達目標:ア これまで明らかにした培養苗の特性(増収・丸芋・早生)を現地栽培圃場において実証する。 イ 培養苗生産を低コスト化、簡易化する。 ウ 培養法を改良することで早生化を促進する。予定成果(初年目):培養苗特性の現地実証(現行培養苗)簡易低コスト培養に適した培地組成早生化をもたらす培養末期(鉢上げ時)の条件期待効果:ア 培養苗の特性が現地生産者による栽培実証で確認される。また、培養苗栽培の実用上の問題点が抽出され、培養苗に適した栽培技術の改良に繋がる。 イ 培養苗生産技術が安価・簡易となり、現地での苗生産の実用化が促進される。 ウ 培養法の改良により早掘り安定生産が可能となり、作型・出荷の自由度が増す。成果:(1)プレハブ冷蔵庫を利用することで、種用さといもを安定的に貯蔵できる(平成12年度試験研究成果:野菜畑作研究室) (2)植物ホルモンを加えない液体培地による培養法により育成されたさといもは、生育収量とも良く、形質変異も認められず、最低3℃の無加温施設で容易に越冬した。現地で増殖・栽培に取り組まれている(秋田遺伝資源利用総合センター、山内村農業総合指導センター)(3)山形県では、培養苗(植物ホルモンとしてBA0.5mg/lを使用)を増殖後、セル成型苗で種苗センターに供給している。培養苗を用いると早掘りが可能であり、丸芋が多い。(山形県立園芸試験場) (4)在来系統である「二子いも」の場合、培養変異を避けるべきという観点から(1)の秋田県の事例に倣った培養法により、培養苗の栽培特性(増収丸芋効果)を明らかにした。(平成13年度試験研究成果) (5)上記培養苗の栽培特性(増収丸芋効果)の再現性を確認し、早掘り作型における増収効果(早生効果)を明らかにした。(平成14年度試験成績書) (6)培養苗より収穫した芋の貯蔵性は慣行の種芋栽培に明らかに優った(平成15年度野菜畑作研究室試験データ)
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研究対象 |
サトイモ
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戦略 |
作物育種
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専門 |
育種
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部門 |
野菜
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カテゴリ |
育種
遺伝資源
経営モデル
高付加価値
栽培技術
さといも
出荷調整
低コスト
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