課題名 |
寒冷地北部における飼料イネ生産給与体系の確立 |
研究機関名 |
岩手県農業研究センター
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研究分担 |
水田作
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研究期間 |
完H13~15 |
年度 |
2003 |
摘要 |
目的:水田における飼料イネ生産は水田機能を維持すると共に、自給飼料確保による畜産振興にも寄与すると考えられる。さらに、処理に苦慮している家畜糞尿を堆肥化して水田に還元すれば、水田を再生産可能な自給飼料生産基盤に組み入れられる可能性がある。給与農家にとって利用価値の高いイネホールクロップサイレージとは、品質が安定しているもの(発酵品質が良い、ロールによるばらつきが少ない、農薬使用に配慮されている)、安価なものである。また、栽培農家においては、乾物収量が高いこと、省力・低コスト化が望まれている。そこで、栽培・給与間で流通可能なイネホールクロップサイレージ生産を目指し、栽培及び収穫調製技術の実証に取り組む。到達目標:ア 栽培・給与間で流通可能なイネホールクロップサイレージ用イネの生産技術体系を確立するイ 良質なイネホールクロップサイレージの収穫・調製技術体系を確立する期待効果:ア 乾物収量が高く、省力・低コストで、栽培・給与間で流通可能な飼料イネ栽培が可能になるイ 発酵品質が良く、ばらつきが少ないホールクロップサイレージが供給される成果:(1)??平成13年に収穫調製したイネホールクロップサイレージ(野外放置)について、翌年4月まで発酵品質に変化が認められず、V-スコアも90点以上で経過した(H14岩手農研セ)(2)??ホールクロップサイレージ用イネの刈取適期は糊熟期~黄熟期、特に黄熟期が適する。黄熟期の目安は積算日平均気温500~600℃、黄化籾割合10%程度である(H13岩手農研セ)(3)??稲発酵租飼料専用カッティングロールベーラ(タカキタWB1000)の収穫作業中の頭部損失は1.5%程度、ロール排出時の損失は0.4%程度であった(H13岩手農研セ) (4)??イネの出穂と前後してヒエが出穂した事例では、イネに比較してヒエは水分が高く推移するので、ヒエが多発している場合はホールクロップサイレージの水分が高くなり、品質低下のおそれがあった(H13岩手農研セ) (5)??稲ホールクロップサイレージには発酵品質改善よりも開封後の二次発酵防止法として添加剤を使用することが有効と考えられた(H9岩手畜試研究報告) (6)??給与飼料の栄養的組み合わせ及び飼料費の面からみた水稲ホールクロップサイレージはとうもろこしサイレージに準じた価値があるとみられた(H9岩手畜試研究報告)(7)サイレージ開封後の2次発酵防止技術として、プロピオン酸、プロピオン酸アンモニウムの添加が有効である(S57岩手畜試参考事項)
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研究対象 |
水稲
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専門 |
栽培生理
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部門 |
水稲
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カテゴリ |
病害虫
水田
水稲
低コスト
とうもろこし
農薬
ひえ
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