21世紀のリンゴわい化栽培を担うJM台木の利用技術の開発

課題名 21世紀のリンゴわい化栽培を担うJM台木の利用技術の開発
研究機関名 岩手県農業研究センター
研究分担 果樹
研究期間 完H11~15
年度 2003
摘要 目的:岩手県においては、約3,700haの栽培面積のうちわい化栽培率が70%近くを占める高い普及率であるが、植栽から20年前後を経過する樹園地も多く、生産性が低下しつつある。このような園地では、優良な品種への更新も含めて改植を進めているが、費用がかさむことおよび数年間の無収入期間があることなどから、低コストの更新技術の開発が緊急の課題となっている。これらのことから、国が育成したJM系の新わい性台木の優れた特性を利用し、岩手県では従来のM.26台等、M.9台に代えて普及を開始した。また、ポットを利用した大苗養成による移植栽培は結実年限の短縮に大きな効果が期待できることから、併せて普及を推進したところである。しかし、本県の主要品種である「ジョナゴールド」など、「ふじ」以外の主要品種に対するわい化程度や品質に及ぼす影響が明らかになっておらず、また、低樹高栽培に適した適正な台木の長さ等、台木の利用技術や、安定した苗木の増殖法等については未確立の課題が多い。到達目標:ア 本県の主要品種に対する台木の親和性を検討し、低樹高高品質栽培に適した適正な台木系統を明らかにする。イ JM台木の現地における適応性を検討するとともに、導入に係るコスト等の評価を行う。 ウ JM系台木は従来のM系台木に比較して挿し木繁殖性が高いが、より低コストの苗木生産を図るため、簡易増殖法を確立する。エ 優良なポット苗木を一挙に育成するため、苗木の短期生産法を開発する。オ結実部位2m程度の低樹高・高品質生産を維持するための台木長並びに中間台利用技術、及び植栽様式を明らかにする。予定成果(初年目):JM1,JM7の挿し木活着率向上条件を明らかにする期待効果:ア JM台木の挿し木法、接ぎ木挿し法が明らかになることにより、リンゴわい性苗木の生産者による自家増殖が進み、改植や品種更新が促進される。 イ ポット利用のJM台大苗の育成方法、定植法が明らかになり、定植後の実収穫期間が短縮される。ウ JM台木の品種別、台木別、台木長別の栽培特性が明らかになり、リンゴの新植、改植が大きく推進される。成果:国ではわい化効果及び挿し木発根性に優れる台木として、わい性のJM1、7、8台木、半わい性のJM2台木,さらに極わい性のJM5台木を育成した。これまで各県における系統適応性検定試験の結果、JM7台の「ふじ」及び「王林」は初期生産性及び品質に優れ、従来のM26台またはM9台と同程度のわい化効果があることが確認されている。果樹試験場リンゴ支場:リンゴわい性台木新品種「JM1」「JM7」「JM8」果樹種苗.64.12-23(1996)平成7年度果樹研究成果情報、東北地域研究成果情報果樹試験場リンゴ支場:半わい性リンゴ台木新品種「JM2」、極わい性リンゴ台木新品種「JM5」果樹種苗.68.25-27(1997)平成8年度果樹研究成果情報、東北地域研究成果情報
研究対象 リンゴ
戦略 園芸
専門 栽培生理
部門 果樹
カテゴリ 改植 コスト 栽培技術 挿し木 新品種 台木 接ぎ木 低コスト 低樹高 苗木生産 繁殖性改善 品種 りんご わい化

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