摘要 |
目的:ケイ酸は,水稲に対して,いもち病やごま葉枯病の被害軽減や耐倒伏性向上などの効果が認められており,水田へのケイ酸質資材の施用が奨励されてきたが,その効果を評すべき水稲吸収と相関の高い測定手法が岩手県では未確立である。これまで岩手県では,水田土壌の可給態ケイ酸の測定に,「1/10N酢酸緩衝液抽出法」を用いてきたが,この方法では,水稲のケイ酸吸収との相関が不十分であった。近年,新たなケイ酸の評価法として,「たん水保温静置法」,「易溶出ケイ酸量」,「リン酸緩衝液抽出法」などが開発された。そこで本県の主要水田土壌において,これらの可給態ケイ酸の評価法が適応するか検討する。到達目標:(1)県内土壌の可給態ケイ酸標準分析法を策定する。 (2)年次別予定成果成果:(1)本県では,酢酸緩衝液抽出法を一部改良した「診断ケイ酸法」を土壌診断の目安としている。(平成2年度参考事項)(2)水田の可給態ケイ酸の評価に関しては多くの研究が行われ,いくつかの評価法が提案されている。(平成13年土壌,水質及び植物体分析法日本土壌協会) (3)リン酸緩衝液抽出法による土壌の可給態ケイ酸の評価は水稲のケイ酸吸収と高い正の相関を示した。(平成11年度研究成績東北農試)
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