課題名 |
りんどうの養分吸収特性の解明 |
研究機関名 |
岩手県農業研究センター
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研究分担 |
土壌作物栄養
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研究期間 |
新H15~17 |
年度 |
2003 |
摘要 |
目的:現行のりんどう施肥基準は,県内でりんどう栽培が始まった頃に,他県の事例を基に作成された基準である。その後,岩手オリジナル品種が多数育成されており,従来の施肥基準が直接適応しないケースも考えられる。また,不適切な施肥により,過剰生育となり栽培管理(病害虫防除含む)に支障をきたしたり,品質を低下を招くことも考えられる。りんどうの生育量を左右する要因としては,施肥のほかに,品種特性・気象条件・圃場の透水性,地下水位など考えられるが,ここでは,県内主要品種について適正生育量を確保するための適正な養分吸収量を把握し,その情報を基に適正な施肥量を策定する。到達目標:ア 県内主要品種の養分吸収特性を把握する。 イ 県内主要品種ごとの施肥基準(施肥量)を改訂する予定成果(初年目):ア 県内主要品種の時期別養分吸収量の把握 現行施肥体系での養分吸収量把握(マシリイ・アルビレオ,採花年) 施肥量別の養分吸収量把握(マシリイ・アルビレオ,採花年) イ 県内主要品種の施肥量(養分吸収量)と生育量・品質の関係解明 現地実態把握期待効果:適正施肥によるりんどうの高品質・安定生産成果:(1)アルビレオでは,採花時の吸収量は,窒素は16.1kg/10aとなり,施肥窒素量(15kg/10a)以上を吸収した。リン酸は7.6kg/10aで施肥量の76%,カリは19.9kg/10aで施肥量を66%越えて吸収した。石灰は,無施肥にも関わらず,17.4kg/10aの吸収量となった(H11,岩手農研セ概要)。(2)採花中の早生りんどうに対する石灰資材の施用により作土のpHとCaO飽和度が改善され,切り花のCa吸収量が促進して生育と品質が高まる(平成12年度研究成果)。(3)マシリイでは,採花時の吸収量は,窒素が20.2kg/10aで,施肥窒素(18.4kg/10a)を10%越えて吸収した。リン酸は5.1kg/10a,カリは12.8kg/10aで,いずれも無施肥のため土壌からの吸収である。また,石灰は5.4kg/10aであったが,地上部枯死時(休眠期前)についても調査が必要である。アルビレオでは,採花時の吸収量は,窒素が25.9kg/10aで施肥窒素(15kg/10a)を73%越えて吸収した。リン酸は11.2kg/10aで施肥リン酸(10kg/10a)とほぼ同等,カリは36.7kg/10aで施肥カリ(12kg/10a)を大幅に越えて吸収した。石灰は13.7kg/10aであったが,無施肥のため全量土壌からの吸収である(H12,岩手農研セ概要)。(4)採花時の吸収量は,マシリィでは窒素8.4kg/10a,リン酸2.1kg/10a,カリ8.9kg/10a,石灰5.5kg/10a,苦土1.6kg/10aであった。アルビレオでは,窒素15.9kg/10a,リン酸4.3kg/10a,カリ20.3kg/10a,石灰4.4kg/10a,苦土3.1kg/10aであった。(平成13年度成績書未定稿) (5)平成14年度のマシリィ及びアルビレオの養分吸収量については,現在分析中。
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研究対象 |
リンドウ
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戦略 |
園芸
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専門 |
土壌肥料
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部門 |
花き
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カテゴリ |
肥料
病害虫
栽培技術
施肥
土壌管理技術
病害虫防除
品種
りんどう
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