摘要 |
目的:野菜の栄養診断診断では、かつて葉色測定による簡易栄養診断が試みられたが、品目、品種、作型、地域などによって差があるために作物体の栄養状態と葉色の関係を明示することが難しかった。しかし、植物体の汁液を用いた簡便な測定方法(反射式光度計、コンパクト硝酸イオンメーター)が開発され、これを活用した簡易栄養診断による土壌・施肥管理技術の研究が進展し、実用化されてきた。これまで施設栽培野菜については、リアルタイム栄養診断が取り入れられてきた。しかし、露地作型では、栄養診断による土壌・施肥管理技術が明らかになれていない。また、花きでは種類が多く、品種、作型等も多岐にわたるため、明らかにされているものは少ない。そこで、リアルタイムに栄養状態を把握し、必要最小限の養分で目的とする農産物を生産するための簡易栄養診断技術を確立する。本年度は、露地きゅうりの生育・収量・品質と簡易栄養診断手法(搾汁液濃度測定)との関係を明らかにする。到達目標:露地きゅうりでの栄養診断部位を策定する期待効果:ア 露地きゅうりの栄養診断部位を提示することによって、栽培農家で統一された測定をすることができる。 イ 露地きゅうり農家に対する生産量の増加成果:地床利用の点滴かん水施肥栽培によるトマトでは、葉柄搾汁液中の硝酸イオン濃度の栄養診断指標値は、栽培期間を通して1000ppm~4000ppmである。採取部位は、果実径4~5cmの果実肥大中期の果房直下、基部よりの小葉柄、採取時間は、晴天時の日中一定時刻とする。(平成14年度研究成果岩手県農研セ)
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