露地きゅうりにおける病害虫総合防除技術の現地実証

課題名 露地きゅうりにおける病害虫総合防除技術の現地実証
研究機関名 岩手県農業研究センター
研究分担 病理昆虫
研究期間 新H16~20
年度 2003
摘要 目的:病害虫総合管理技術(IPM)は,生産者にとっての経済性の向上,消費者にとっての安全性指向への対応,および社会現象化している環境保護を実現する技術として期待されている。露地きゅうり病害のIPMの基盤技術として,これまでに品種の耐病性評価(H13指導),薬剤による病勢進展阻止効果(H14指導,2件)などを明らかにし,適切な整枝管理という栽培基本技術および薬剤防除の基本技術(アーチ両側散布,初発葉の摘葉による耕種的防除)を総合的に組み合わせた研究成果として取りまとめたところである(H14研究)。害虫IPMについては合成ピレスロイドを用いないワタアブラムシの防除体系(H6園試)など,主要害虫に対する薬剤使用体系マニュアルが既に実用化されている。本課題では農薬の効果的使用および基本栽培技術(耕種的防除も含む)を組み合わせてIPMを現地実証しようとするものである。ところが,昨今の農薬取締法の改正,あるいはトレーサビリティシステムへの消費者の関心の高まる中,適正な農薬使用の指導徹底が重要となってきている。ところが,現状では地域に防除暦は存在するものの,いわゆる農家慣行として独自の農薬散布がほとんどで,慣行防除として定期散布が実施されている事例は少ない。そこで,基本的な栽培技術,農薬散布技術を定着させ,その上で先ず定期散布を実施する第Iステージ,次にすでに定期散布が実施され,”防除が成功”している場合には圃場の一部でに総合防除による農薬散布回数削減と成分数の低減を図るという,第IIステージに移行する。最終段階としてIPM技術を完全に導入する(第IIIステージ)ステップを踏むことにより,本技術の定着を図ろうとするものである。到達目標:ア 総合防除に際しての前提条件(適切な整枝管理,圃場観察および初発葉の早期摘葉,アーチ両側散布,圃場の病害発生様相の把握)が通常作業として定着する。イ 第Iステージとして,薬剤成分数を合理的に減じた基本防除体系を定着させる。ウ第IIステージとして,総合的病害虫防除体系を試行する。エ第IIIステージとして,総合的病害虫防除体系を定着させる。予定成果(初年目):(1)基本栽培・防除技術が徹底され,定期的な基本防除体系が定着する(第Iステージ)。 (2)(1)導入が難しい場合の制限要因の抽出期待効果:露地きゅうり産地で総合防除技術が導入され,農薬の使用を減じた上で消費者が求める安全な農産物を提供できるようになる。成果:1)本県におけるきゅうり主要病害はべと病,うどんこ病,褐斑病と,黒星病,斑点細菌病である(植防年報)。2)べと病,うどんこ病,褐斑病の発生消長データは蓄積がある(発生予察基準圃,旧園試~農研)。3)褐斑病は初発葉を除去すると,その後の進展を遅らせることができる(H12植防年報)。 4)IPM(総合的病害虫管理)には,「経済性という農家向けの顔」と「環境保護という社会向けの顔」が二元的な理念として存在する(鈴木,2000)。5)品種の耐病性について,夏ばやし,夏すずみ(非推奨)はうどんこ病に対して耐病性を有するが,べと病に対しては発病遅延程度である。南極1号,パイロット2号は両病害に感受性である。なお,褐斑病に対しては耐病性を有していないと推定される。(H13指導) 6)べと病急増期の病勢進展阻止はKUF1001DFの効果が優れる。ジメトモルフ水和剤も効果があるが,オキサジキシル銅水和剤では認められなかった。(H14指導) 7)うどんこ病急増期の病勢進展阻止効果は,炭酸水素塩がトリフルミゾールとほぼ同等であったが,塩の種類により異なった。すなわち,トリフルミゾール,K,Na+銅>Na(H14指導)8)うどんこ病に対する生物農薬「Bacillussubtilis」製剤(未登録)の予防効果は低い。 9)弱毒ZYMVまたは弱毒CMVの前接種苗によるモザイク病防除効果は高い。CMVに対しては感染及び発病が抑制され,高い防除効果を認めた(H14研究)。H14は両弱毒ウイルス同時接種苗を用いたがZYMVの発生はなかったためウイルスによる急性萎ちょう症等に対する効果確認には至らなかった。 10)総合防除試験(所内)では,「夏ばやし」を使用した試験区では,本品種のうどんこ病耐病性およびべと病発病進展遅延効果によって,「南極1号」を使用した慣行防除区に比較して,防除回数,使用薬剤の種類数,成分数において概ね1/2~2/3の防除圧で,べと病,うどんこ病,褐斑病および炭そ病に対してほぼ同等の体系防除効果を引き出すことができる(H14研究)。 11)主要害虫ワタアブラムシ,ワタヘリクロノメイガなどに対する防除法として薬剤使用体系マニュアルに記載している体系ではすでに総合防除に合致している。
研究対象 キュウリ
専門 病害
部門 野菜
カテゴリ 病害虫 うどんこ病 害虫 管理技術 きゅうり 黒星病 栽培技術 総合防除技術 農薬 病害虫防除 品種 防除 薬剤 わた

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