課題名 | 辛味の発現しない万願寺トウガラシ系統の育成と安定生産技術の開発 |
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研究機関名 |
京都府農業資源研究センター |
研究分担 |
応用研究部 |
研究期間 | 継H14~16 |
年度 | 2003 |
摘要 | 京都府の伝統野菜の一つである万願寺トウガラシに、ピーマン品種のもつ辛味をなくす劣性遺伝子を連続戻し交配により導入し、辛味の全くない新たな万願寺トウガラシを育成する。辛味遺伝子連鎖マーカー(PLM2)を用いて、連続戻し交配により育成したBC5世代およびBC4F2世代から果型や食味により有望個体をそれぞれ1および11個体選抜し、これを材料に葯培養を行ったところ、それぞれ207および117個体の再生植物体を得た。そのうちBC5世代では辛味がなく(マーカー選抜)、自然倍加した個体は38個体、BC4F2世代では40個体であった。また、マーカー選抜と連続戻し交配により、BC7世代まで戻し交配を行った。 辛味のでにくい‘万願寺’系統の現地適応性を確認するとともに、品種登録に向けた特性調査を行う。また、トウガラシ育種の効率化のための連鎖地図を作出する。辛味の出にくい‘万願寺’系統は舞鶴系統に比べて、早生で初期収量が多く、果実が太短く、果実重が大きい特徴をもっていた。草勢が弱いため、追肥および剪定を適宜行い、草勢が落ちないように栽培管理する必要が認められた。一方、新たなDNAマーカーとしてSSRマーカーの開発を行い、GTをモチーフとした約140種類のマーカーを開発し、DH集団に約20個のマーカーをマッピングした。 新たに育成した辛味のでにくい‘万願寺’(MDH12-33)を品種登録した際に、育成者権の保護を図るため、権利侵害の迅速な立証を目的として、新品種と類似した品種をDNAマーカーにより識別できるようにする。‘万願寺’と類似した市販品種および在来‘万願寺’を含む7品種を用いてMDH12-33との識別マーカーの検索を行った。その結果、RAPDから得られた3つのSTSマーカーとSSRマーカーを用いることにより、7品種とMDH12-33を識別できることが明らかとなった。 |
研究対象 | トウガラシ |
戦略 | 作物育種 |
専門 | 育種 |
部門 | 野菜 |
カテゴリ | 育種 栽培技術 新品種 DNAマーカー 伝統野菜 とうがらし ピーマン 品種 良食味 |