摘要 |
食品副産物について廃棄物処理の観点より、おから、醤油かす、酒かす等について炭化処理方法および有効利用法について調査した。また、簡易的炭化実験試験を実施し、炭化条件の検討、炭化物のヨウ素吸着性能を測定した。材料の種類により、炭の収率に差あり、醤油かす、酒かす、おからの順に収率が減少した。炭化最高温度による差は僅かに減少傾向がみられ、400℃と500℃の温度差による収率の差は2~4%あるが、500℃と600℃の温度差による収率の差は1%以下であった。生成した炭化物のヨウ素吸着性能は、おからが一番高く、ついで醤油かす、酒かすの順であった。炭化最高温度による400℃が一番高く、500℃、600℃では極端に減少した。炭化処理のメリットは、廃棄物の1/5以下に減量化できる、400℃と比較的低温でも吸着性能が期待できる、均質性、安全性が保持できる炭化物である、生成物の管理が、原材料よりも管理し易い、土壌改良材として有用である、炭化処理は炭素の固定であり、CO2削減につながる。また、問題点として、醤油かすは約7%の塩分が含むので塩害を及ぼす可能性がある、成果物のコストが安いのでランニングコストを如何に抑えるか、需要先の確保等がある。
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