課題名 |
福部砂丘ラッキョウ高位生産技術の確立 |
研究機関名 |
鳥取県園芸試験場
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研究分担 |
野菜研
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研究期間 |
継H14~16 |
年度 |
2003 |
摘要 |
福部のラッキョウ生産者の中には10a当たり収量が3tを超える生産者がいるが、全体の平均は2.1tと少ない。3tどりを実現させるために多収穫畑の多収要因(栽培条件、土壌条件、生育状況、収量構成要素)の解明が必要である。福部村内の農家ごとの収量と施肥量の実態を調査した結果、多収農家の窒素施用量は多かったが、窒素、リン、カリウム、マグネシウムの施用量と収量の関係は判然としなかった。種球の冷蔵処理は、乾腐病を減少できる技術として生産者に広まりつつある。しかし、冷蔵と生育・収量との関係は明らかになっていない。そこで種球の冷蔵期間が収量に及ぼす影響を検討した結果、冷蔵処理は冷蔵期間(20日~60日間)に関係なく腐敗球の発生が減少した。しかし、冷蔵処理期間の違いが収量に及ぼす影響は認められなかった。10a当たり収量3tを目標とし、窒素の増施がラッキョウの生育と収量に及ぼす影響を検討の結果、窒素施用量が多いほど分球数が多くなり、ラッキョウの収量は増加した。施肥種類、施肥回数ともに少なくできる緩効性肥料について検討の結果、緩効性肥料の元肥全面施用で、慣行と同等の収量が得られた。この施肥法は、施肥回数を現行の8回から5回へ減らすことができ、省力化が図られると考えられる。また、緩効性肥料の植え溝施用(植付け後植え溝施用)は慣行より2割減の窒素施用量で、慣行と同程度の収量が得られた。ラッキョウの無機要素含有量を経時的に調査の結果、3月中旬から下旬にかけ無機要素の含有量が急激に増加した。このことから、春先の追肥(窒素の追肥)がラッキョウの生育に重要な役割をはたしているのではないかと考えられた。ラッキョウの種球重の違いが生育に及ぼす影響を経時的に調査の結果、球重が重い種球を生産することにより増収が期待できると考えられた。ラッキョウの休眠と萌芽時期について検討の結果、ラッキョウの休眠が最も深くなるのは6月中旬頃と考えられた。青子(鱗茎の緑色化)の発生が防止でき、収量に影響の少ない土寄せ時期を検討の結果、本試験ではいずれの区も青子の発生は認められなかったが、収量に影響の少ない土寄せ時期は、遅くとも4月中旬頃までであると考えられた。既存の植付け機械と慣行の手植えの収量および品質を調査の結果、機械定植は慣行の手植えと比較すると初期生育は劣るが収量は慣行と同程度であった。しかし、曲がり株率が高いため収穫後の調整作業に時間を必要とすると考えられた。そのため植付け姿勢の改良が必要であると考えられる。
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研究対象 |
ラッキョウ
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戦略 |
園芸
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専門 |
栽培
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部門 |
野菜
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カテゴリ |
肥料
栽培技術
栽培条件
省力化
施肥
らっきょう
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