摘要 |
目的:暖地型牧草は高温や干ばつに強いのが特徴で、夏場の草量確保に有効で、長期的な草地の維持管理も比較的容易である。島根県では耐寒性の問題から普及していなかったが、温暖化と品種改良に伴い県内の山地放牧において利用可能となった。今後その利用範囲は広がると思われ、適正品種の選定及びより具体的な導入方法を検討し、牧養力向上を図る。進行状況(これまでの結果概要):(1)試験区の設定~県内の海浜部(鹿島町)、平坦部(出雲市)、中山間部(赤来町)に試験区を設け播種試験を行った。供試草種はセンチピートグラス、カーペットグラス、バヒアグラス及びバミューダグラスの4草種を用いた。いずれも10a当たり2kgを5~6月に播種した。各区とも播種2か月後から2か所ずつ被度調査を行い、その平均値を5段階評価した。年内で被度が高かったのはカーペットグラスで、次いでセンチピートグラスの順であった。 (2)発芽試験~各草種とも9cmシャーレに100粒ずつ種子を用い、10日目の発芽率を確認した。50%以上の発芽率を確認するまで2週間以上を要するものが多かった。 (3)土壌分析~養分の豊否について各試験区を調べたところ、中山間部の土壌で有効態リン酸含量と置換性石灰含量が顕著に低いことが分かった。
|