深耕爪付き施肥播種機による作土層の透水性向上技術

タイトル 深耕爪付き施肥播種機による作土層の透水性向上技術
担当機関 十勝農試
研究期間 2000~2003
研究担当者 鈴木 剛
発行年度 2003
要約 総合施肥播種機に装着した深耕爪の作用により、土壌物理性が改善され、作土層透水性は向上する。深耕爪はロータリ耕盤層の深さを超える作用深 23cm 以上で耕盤破砕効果が大きく、爪本数では 5 本、種類ではウェーブ型の効果が優る。
キーワード 深耕爪、施肥播種機、作土層、透水性、ダイズ、アズキ、テンサイ
背景・ねらい 十勝の畑作地帯では、経営規模の拡大にともないトラクタ及び作業機が大型化してきており、これら作業機械の土壌踏圧による作土層の透水性の低下が懸念されている。また、 湿性火山性土などでは土壌水分が高い時の砕土整地による土壌の練り返しや、ロータリハ ローにより形成される耕盤層も作土層の土壌物理性や作物の生育に悪影響を及ぼしている。
簡易に作土層の透水性を向上させる技術として、施肥播種時に深耕爪により、畦間のト ラクタタイヤ跡の土壌踏圧層やロータリ耕盤層を破砕する深耕爪付き施肥播種機の作業特 性、透水性向上効果、生育収量に及ぼす効果を検討する。
成果の内容・特徴 1.総合施肥播種機に 5 本の深耕爪が装着できるフレームおよび金具を取り付けた。爪形状はストレート型、ウェーブ型の 2 種類、作用深はそれぞれ 110~350mm、110~230mmである。
2.けん引所要動力は、深耕爪 2 本ではけん引力が 580~590kgf で 4~6PS 程度、5 本では810~890kgf で 7~10PS 程度である。
3.深耕爪作用時には接地駆動輪すべり率(作業速度 0.8m/s 前後)が増加し、平均株間は6~12%広くなる。
4.深耕爪によりトラクタ走行跡の畦間の土壌硬度が大きく低下するとともに、固相率が低下し、気相率が向上する(図 1、表 1)。土壌物理性の改善効果は 5 本爪が優り、作 用深 15cm では、ロータリ耕盤層の破砕が上十分であるが、23cm 以上では破砕効果が 大きい。
5.トラクタ走行跡の畦間の表面水浸透量は、深耕爪なしで 37mm/h、ストレート型で 62mm/h、 ウエーブ型で 87mm/h である。株間では、それぞれ 40mm/h、70mm/h、88mm/h である。 深耕爪により畦間で 25~50mm/h、株間で 30~48mm/h 増加する。また、浸透量はウェ ーブ型深耕爪が優る。
6.深耕爪により、各作物とも生育中期の生育量および収穫期の子実重や根重が増加する (表 2、3)。移椊てん菜では 5 本爪の場合は、深耕爪なし・深耕カルチありと比べて 9 月上旬の土壌硬度が小さく、深耕カルチは省略できる。
成果の活用面・留意点 1.湿性火山性土などの土壌踏圧層、ロータリ耕盤層破砕技術として利用可能である。
2.深耕爪付き施肥播種機では株間が広くなるため、施肥量、株間の調整が必要である。
3.適応トラクタは深耕爪 2 本では 40PS 級以上、5 本では 60PS 級以上である。
カテゴリ あずき 経営管理 施肥 大豆 てんさい 播種

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