タイトル |
パドック汚水の砂層濾過・凝集沈澱処理技術 |
担当機関 |
北海道立根釧農業試験場 |
研究期間 |
1999~2003 |
研究担当者 |
大越安吾
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発行年度 |
2003 |
要約 |
降雨時にパドックから流出するふん尿混じりの汚水を、砂層濾過と凝集沈澱処理を組合わ せた手法により、COD、SS、全窒素、全リンを排出基準値以下に処理する。
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キーワード |
パドック汚水、濾過、凝集、汚水処理、ふん尿、雨水
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背景・ねらい |
ふん尿混じりの汚水に対して、砂層濾過(砂粒径 1.18~2.00mm、層厚 50mm)の濾過効果の 検証と、砂層濾過した汚水に対して、塩化第二鉄水溶液による凝集沈澱法の効果について検証す る。また、施設の簡易化のために薬剤の混和方法と、汚水濃度に対する薬剤の添加量の決定方法 を検討する。
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成果の内容・特徴 |
- 砂層濾過は 1m2 あたり、ふん尿量換算で 6.4kg 分(水分 87%)が混入する汚水を濾過することが可能で、固形分の除去率は乾物割合で 44.6%である。濾過層が閉塞したとき、層底部に 布設する逆洗管に送気して逆洗を行なうことで、砂層上部に固形分が沈積して掻き出し易く なり、濾過能力は回復し、砂層濾過を繰り返し使用できる(図 1・2)。
- 濾過した汚水は貯留槽に導水し凝集沈澱処理を行なう。凝集剤に塩化第二鉄水溶液と pH 調 整剤に水酸化ナトリウム溶液を使用し、薬剤の混和には汚水ポンプを使用し、混和に 10 分間、 沈澱・静置に 60 分間かけ、分離した処理水を地下浸透か草地へ掛け流す。凝集剤の使用量は 汚水の透視度から算出するが、透視度が 2cm 以下では読取り誤差が大きくなるため、ゆとり を持たせて添加する。pH 調整剤の使用量は処理水の pH が 5.8~8.6 となるように添加する。 (図3)。
- 水 1m3 あたりふん尿 50kg までを混合した汚水について砂層濾過と凝集沈澱処理を行なうと、 処理水中の全窒素を約 70%、COD を約 90%、SS と全リンはほぼ 100%除去することができ、 排出基準値以下とすることができる(表1)。
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成果の活用面・留意点 |
1.本成績はふん尿主体の汚水に対する砂層濾過、凝集沈澱処理の基礎データとして利用できる。
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カテゴリ |
薬剤
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