タイトル | ペレニアルライグラス放牧地における堆肥利用法 |
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担当機関 | 天北農業試験場 |
研究期間 | 1999~2003 |
研究担当者 |
佐竹 芳世 堤 光昭 |
発行年度 | 2003 |
要約 | 放牧地に堆肥2t/10aを春の入牧前か7月後半以降に散布することにより、化学肥 料と同等かそれ以上の草量が期待でき、放牧牛の採食性も低下することはなく、購入肥料 代の節減が可能となる。 |
キーワード | ペレニアルライグラス、放牧、施肥管理、堆肥利用 |
背景・ねらい | 家畜糞尿の放牧地への活用を促進するために、堆肥主体施肥が放牧牛および放牧地にお よぼす影響について検討した結果、堆肥の施用量は2t/10a以下、施用後30日経過すれば 採食性に問題がないことが明らかとなっている。本試験では堆肥の施用時期と堆肥を化学 肥料の代替えとした場合の草量、牧草成分、土壌への影響について明らかにする。 |
成果の内容・特徴 | 1.放牧地に堆肥(乾物率約23%)を2t/10a(リン酸は化学肥料で6kg/10a)施用すること により、化学肥料施用(対照区)と同等かそれ以上の草量が得られ(図1)、購入肥料が 節減できる。6月は堆肥施用後の休牧期間に牧草が伸び過ぎ採食性が低下するので、 堆肥散布時期は春の入牧前と秋の退牧後、放牧期間中は7月後半以降が適している(図 2)。 2.堆肥施用と化学肥料施用(対照区)では、牧草の粗蛋白質(CP)、NDF含量の差は 認められない(表1)。 3.堆肥施用では、牧草のカリ含量は対照区とほぼ同様な値を示し、K/(Ca+Mg)比 は同程度からやや高い傾向を示す(表1)。 4.堆肥連用5年目の土壌成分は、MgOは対照区より高かったが、pHやP2O5、K2 O、CaO含量の差はみられない(表2)。 |
成果の活用面・留意点 | 1.ペレニアルライグラス放牧地の施肥管理に有効である。 2.早春施用は、入牧までに牧草が伸び過ぎる傾向があるので、春先の牧草生育が緩慢な 晩秋放牧を行った草地を対象とすることが望ましい。 3.堆肥の施用にあたっては、出来るだけ均一に散布し、定期的に土壌診断に基づく施肥 対応に努める。 |
カテゴリ | 肥料 施肥 土壌診断 |