タイトル | F1母豚の能力向上のための「ハマナスW1」維持・増殖群の遺伝的評 価法 |
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担当機関 | 道立畜試 |
研究期間 | 2001~2003 |
研究担当者 |
伊藤寿志(ホクレン) 梶野清二 岩瀬俊雄(ホクレン) 高谷和宏(ホクレン) 小泉徹 |
発行年度 | 2003 |
要約 | 「ハマナスW1」維持・増殖群の総産子数にもとづく母豚の生産性の遺伝的 評価法について検討した。維持・増殖群のデータのみを利用した反復モデルによる推定 育種価は、F1母豚の成績を含めて推定した育種価と正の遺伝相関を示し、F1母豚の 生産性向上に有効である。 |
キーワード | ブタ、育種価評価 |
背景・ねらい | 豚の系統維持は、血縁関係にもとづく交配、選抜により遺伝的構成の変化を最小限に 抑えるように行われてきた。今後はコマーシャル段階のF1母豚の生産性向上を考慮し た維持・増殖群の遺伝的評価にもとづく交配、選抜による系統維持が重要である。この ため、F1母豚の産子数向上を目的とした維持・増殖群の遺伝的評価法を検討する。 |
成果の内容・特徴 | 1.ホクレン滝川スワインステーション(SS)のハマナスW1母豚420頭、延べ1835腹 の総産子数について初産から6産までの総産子数をそれぞれ別の形質とみなす多形 質モデルにより遺伝的パラメータを推定した。初産および2産と3産との遺伝相関 (0および0.12)を除き、他の産次間の遺伝相関は高い値(0.46~0.98)である(表 1)。 2.各産次の総産子数を同じ形質の反復とみなす反復モデルによる推定育種価は多形質 モデルの初産から6産の推定育種価との間に正の遺伝相関(0.60~0.87)がある(表 2)。このことから反復モデルによる総産子数の推定育種価が生産性の指標として 有効である。 3.ハマナスW1を母親として生産されたF1母豚を飼養している3農場の2066腹の総 産子数とSSのハマナスW1母豚のデータとを利用して推定した育種価と反復モデ ルでハマナスW1母豚のデータのみから推定した育種価との相関をみると、4産以 降のデータが1農場に集中していたため負の相関を示した4産(-0.91)を除いて、 正の遺伝相関(0.49~0.96)がある(表3)。以上のことから、維持・増殖群のデー タのみを利用した反復モデルで推定した育種価にもとづく選抜により維持・増殖群総産子数の改良が可能であり、F1母豚の総産子数の向上が期待できる。 |
成果の活用面・留意点 | 1.滝川スワインステーションの「ハマナスW1」の遺伝的評価に利用できる。 2.効率的な遺伝的評価を行なうためには産子数と血統の記録を統合して管理すること が重要である。 |
カテゴリ | 育種 なす 評価法 豚 ワイン |