タイトル | ダイコン軟腐病に対する品種抵抗性を評価する室内検定マニュアル |
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担当機関 | 道立花野セ |
研究期間 | 2000~2003 |
研究担当者 |
小松勉 |
発行年度 | 2003 |
要約 | ダイコン軟腐病に対する品種の抵抗性は、 4 ~ 5 葉期の胚軸に針で刺傷し、高濃度の 菌液を滴下、その後 25 ~ 30 °Cで1日間高湿度条件を保持する接種法により、室内で短期間 に、安定的に検定できる。 |
キーワード | ダイコン、軟腐病、品種抵抗性、室内検定 |
背景・ねらい | 冷涼な気候を活かした夏ダイコンの生産は北海道の重要な品目である。しかし、夏季における 栽培のため、特に高温、多雨年には軟腐病が発生し重大な障害となっている。軟腐病の防除対 策として的確な薬剤の選択とその散布時期、回数等と併せ、抵抗性の品種を選択することが重 要である。そのため、ダイコンの軟腐病抵抗性を簡便、迅速に評価する手法を開発する。 |
成果の内容・特徴 | 1 .ダイコン軟腐病菌をダイコンに刺針接種後、定温、高湿度状態に維持できるミスト室での 2 日 間の保持は、ダイコン軟腐病の品種間差が最も良く認められ、抵抗性検定に適している。ダ イコンへの刺針接種法は、幼苗胚軸部に針で傷を付け、病原細菌懸濁液の滴下である。(表 1 )。 2 .検定に適した生育ステージは本葉 4 ~ 5 葉期(播種 15 ~ 20 日後)、接種菌濃度は、 109 ~ 1010cfu/ml 、温度条件は 25 ~ 30 °Cである。 3 .圃場における軟腐病検定の判定とミスト室内接種検定の抵抗性判定との比較すると、抵抗性 強および弱品種では判定がほぼ相関するものの、やや強~中~やや弱品種では多少異なる 場合がある。圃場検定では年次や反復間で振れが生じることも多いが、室内検定は一定条 件で反復が多く行えるため、より正確に判定できる(表 1 )。 4 .ミスト室の代わりに PP コンテナを用いて、前述の方法で接種後霧吹き・密閉すると、ミスト室 での抵抗性判定と同様の傾向を示し、検定法として有効である(図 1 )。ただし、高湿度条件維持(密閉状態)期間は、発病の進展がミスト室より早い傾向にあるため 1 日間が適してい る。 5 .「 YR 太鼓判」(強)、「貴宮」(中)、「喜太一」(中)、「 YR てんぐ」(弱)を指標品種とし、 PP コ ンテナを用いた胚軸部への刺針接種を行い、接種後 2 ~ 3 日後に指標品種と検定供試品 種の発病株率を比較し、軟腐病抵抗性判定を行う(図 2 )。 |
成果の活用面・留意点 | 1 .発病株率で評価するので、 10 株以上の検定株数を確保するとともに、数回の検定を行うこと が望ましい。 |
カテゴリ | 病害虫 だいこん 抵抗性 抵抗性検定 播種 品種 防除 薬剤 |