タイトル | アスパラガス立茎栽培に対する石灰系下水汚泥コンポストの増収効果 |
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担当機関 | 花 |
研究期間 | 1999~2003 |
研究担当者 |
中村隆一 目黒孝司 |
発行年度 | 2003 |
要約 | 粒状および剪定材入り石灰系下水汚泥コンポストは、土壌中で有効なカルシウム 供給源となり、土壌 pH上昇や作物体のカルシウム濃度を高める効果等により、立茎 |
キーワード | アスパラガス、下水汚泥コンポスト、立茎栽培 |
背景・ねらい | 永年作物であるアスパラガスの立茎栽培における粒状および剪定材入り石灰系下水汚泥 コンポストの施用効果について検討する。 |
成果の内容・特徴 | 1. 2. 3. 4. 5. 6. 収穫の各年とも、粒状および剪定材入りコンポスト各区の収量が、対照区(炭カル 250kg/10a 施用)を大きく上回る。 収穫 4 か年の累積収量は、剪定材 1t 連用区(約 5t)>剪定材 2t 造成時施用区、粒状 1t 連用区(約 4.8t)>剪定材 1t 造成時施用区(約 4.5t)>対照区(約 4t)の順である(図 1)。 コンポスト施用各区の中では、造成時施用区に比べ連用区で多収であり、剪定材入り 1t 連用が、粒状 1t 連用を上回る。剪定材入りコンポスト造成時施用の残効は、1t 施用よ り 2t 施用で収量への効果も高い。 粒状および剪定材入りコンポスト施用による貯蔵根 Brix 値への影響は判然としない。 また、作物体各部のカルシウムを除く成分含有率および若茎のビタミン C 濃度、Brix 値などには、コンポスト施用による明瞭な影響は認められない。 粒状および剪定材入りコンポスト施用各区は、炭カル施用の対照区に比べ、土壌 pH上昇および交換性カルシウム濃度の高まる傾向が認められ(表 1)、茎葉および若茎 中のカルシウム濃度も高まる傾向がある。 コンポストの連用区では、土壌中の全亜鉛および全銅(過塩素酸分解)の濃度は対照 区に比較し増加する(表 2)。 以上のことから、粒状および剪定材入り石灰系下水汚泥コンポストは、土壌中で有効 なカルシウム供給源となり、土壌 pH上昇や作物体のカルシウム濃度を高める効果等 により、立茎アスパラガスに対し増収効果を示す。 |
成果の活用面・留意点 | 1) アスパラガス圃場の造成時施用およびその後のコンポスト施用においては、「都市下 水汚泥の農地施用基準」に従って行う。 2) なお、「剪定材入りコンポスト」については、街路樹剪定材が別用途で利用されてい るため、製造および供給は困難な現況にある。 |
カテゴリ | アスパラガス |