動物型および植物型スフィンゴ糖脂質の簡易判別法

タイトル 動物型および植物型スフィンゴ糖脂質の簡易判別法
担当機関 (独)農業・生物系特定産業技術研究機構 北海道農業研究センター
研究期間 2001~2006
研究担当者 高桑直也
斎藤勝一
小田有二
発行年度 2003
要約 由来生物により異なる構成糖をもつ動物型、植物型のスフィンゴ糖脂質を、アニスア ルデヒド硫酸を用い発色させることにより、視覚的に構成糖ならびにその由来の判別 が可能である。これにより以前の主たる原料であった牛脳由来の動物型と植物、酵母 由来の植物型スフィンゴ糖脂質を迅速、簡易に判別できる。
キーワード スフィンゴ糖脂質、アニスアルデヒド硫酸、薄層クロマトグラフィー
背景・ねらい スフィンゴ糖脂質は、図 1 に示す構造の複合糖脂質で、セラミド、セレブロシドとも呼ばれる。従 来、これらスフィンゴ糖脂質の主な供給源は牛脳であったが BSE発生以降、人体にとってより安全 な植物、酵母を原料とした製造に切り替わりつつある。構造的には、牛を代表とする動物型の場合は ガラクトースを、植物または微生物などの植物型ではグルコースを構成糖として有し、その分析はス フィンゴ糖脂質を構成糖などの各成分に分解後、成分ごとに HPLC 法などで分析されている。しかしこ方法では分析に時間を要し迅速な判別ができない現状にある。そこで動物型および植物型スフィン ゴ糖脂質の迅速、簡易な判別法の提供を試みた。
成果の内容・特徴 薬を噴霧し 80~120°C程度で加熱することで、各糖質、構成糖に応じた発色を生じ視覚的な判別が 可能である(表1)。
2.試料中各分子種の判別や、クロロホルム-メタノール混液より抽出した脂質粗抽出物を試料とし た場合も、薄層クロマトグラフィーと組み合わせることで判別が可能である(図2)。
3.多検体の試料も、発色のみであれば数十分、粗抽出や薄層クロマトグラフィーなどの操作を含め ても半日以内に、スフィンゴ糖脂質の構成糖の判別ならびに動物型、植物型の判別が可能である。
成果の活用面・留意点 2.気温など発色環境などにより発色色調にロット差が生じるため、標準品の発色を毎回同時に行い 標準品との比較により試料の判別を行う。
3.混合試料の場合、標準品とは異なる混合比率に応じた色調を生じる。この場合薄層クロマトグラ フィーなどにより分離したのち発色、判別を行う。
カテゴリ

こんにちは!お手伝いします。

メッセージを送信する

こんにちは!お手伝いします。

リサちゃんに問い合わせる