テンサイ直播栽培における冠部糖量と全糖量の系統間差異

タイトル テンサイ直播栽培における冠部糖量と全糖量の系統間差異
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 北海道農業研究センター
研究期間 2007~2007
研究担当者 岡崎和之
高橋宙之
田口和憲
阿部英幸
発行年度 2007
要約 圃場への鍬込みにより還元されている冠部糖収量は、全糖収量の1割程度を占める。収穫時期を11月上旬まで遅らせることにより、高糖型系統「北海98号」の直播栽培は、移植栽培と同程度の全糖収量が得られる。
キーワード テンサイ、糖収量、冠部、直播栽培、晩期収穫
背景・ねらい テンサイのバイオマス利用において、糖収量の向上と栽培コスト低減は重要な課題である。糖収量向上への方策として、現在圃場への鍬込みにより還元されている冠部(図1、幼植物の上胚軸部に相当)の利用が想定されるが、品種や栽培法が冠部糖量に与える影響に関する知見が少なく、バイオマス資源としての利用価値が明確ではない。また、直播栽培は栽培コスト低減に効果があるが、移植栽培に比べて栽培期間が短く、糖収量が少ないことが問題とされている。そこで本研究では、バイオマス用テンサイとして収量タイプの異なる二つの系統、根重型系統「北海87号」および高糖型系統「北海98号」について、系統および栽培法が冠部糖収量に及ぼす影響を明らかするとともに、栽培期間延長による全糖収量(冠部と根部を合わせた糖収量)の推移を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. 「北海98号」および「北海87号」の全糖収量に占める冠部の割合は、「北海87号」の9%に対し、「北海98号」は11~12%と高く、系統間差が認められる(図2)ことから、「北海98号」の直播栽培では冠部利用がバイオマス生産において重要である。また、10月中旬以降、全糖収量に占める冠部の割合における移植栽培と直播栽培の差は、両系統ともに小さい。
  2. 移植栽培の「北海98号」を除き、11月1日(晩期収穫)まで全糖収量は増加する。「北海87号」における移植栽培と直播栽培の全糖収量の差は、各収穫時期において変わらないが(図3)、「北海98号」では、晩期収穫することにより、直播栽培と移植栽培の同等の全糖収量が得られる(図4)。
成果の活用面・留意点
  1. 冠部を含めた全糖収量の多いバイオマス用テンサイ品種育成の資料となる。

図表1 210094-1.png
図表2 210094-2.png
カテゴリ 直播栽培 収量向上 低コスト てんさい 品種

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