黒毛和種の子牛の発育に対する母性遺伝効果の育種価と雌牛の実測乳量の関係

タイトル 黒毛和種の子牛の発育に対する母性遺伝効果の育種価と雌牛の実測乳量の関係
担当機関 中国農業試験場
研究期間 1995~1997
研究担当者 高橋政義
大島一修
竹之内直樹
島田和宏
発行年度 1995
要約 黒毛和種の子牛の発育に対する相加的母性遺伝効果の育種価を推定し,雌牛の実測乳量との関係を検討したところ,180日齢体重の母性遺伝効果の育種価は泌乳能力の指標となることが明らかになった。
背景・ねらい  現在、黒毛和種の産肉形質に関する改良体制が整い、泌乳能力の改良に対する関心が高まっている。雌牛の泌乳量と子牛の生時から8週齢までの1日増体量は非常に相関が高く(r=0.90)、泌乳量の指標として有効であるが、農家における子牛の体重測定は実用上困難である。そこで入手が容易な子牛市場出荷時体重の利用の可能性を検討するため、子牛の180日(6ヵ月)齢体重の母性遺伝効果の育種価と雌牛の実測乳量との関係を調べた。
成果の内容・特徴
  1. 対象形質は生時から60日齢までの1日増体量(DG)と180日齢体重(WT)とし、アニマルモデルによる育種価推定のための材料は、1938~1994年の間に畜産部で生産した黒毛和種の子牛より記録を有する約1160個体である。数学モデルには変量効果として個体自身の有する相加的遺伝効果、相加的母性遺伝効果と両者の間の遺伝相関(ram )、永続的母性環境効果を取り込んだ。母数効果としては出生年次・季節、性、産次を取り上げた。実測乳量は43頭による100乳期について測定し、累積乳量は環境要因について補正を行なった。両者の関係は繰り返しがある場合の回帰により調べた。
  2. 図1に雌牛の60日累積乳量とその個体のDGの母性遺伝効果の育種価との関係を示す。DGの母性遺伝育種価に対する60日累積乳量の回帰係数は456kg(P<0.001)である。図2に雌牛の180日累積乳量とその個体のWTの母性遺伝効果の育種価との関係を示す。WTの母性遺伝効果の育種価に対する180日累積乳量の回帰係数は6.18kg(P<0.05)である。つまり、180日齢体重の母性遺伝育種価10kgの増加は、180日累積乳量約60kg(最小自乗平均値の約7%)の増加を意味する。
成果の活用面・留意点  8ヵ月齢前後の子牛市場出荷時体重に関する母性遺伝育種価を、雌牛の泌乳能力の推定に利用するためには、さらに取り上げる環境要因等数学モデルの検討が必要である。
図表1 210141-1.jpg
図表2 210141-2.jpg
カテゴリ 育種 出荷調整

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