水稲「モチミノリ」の奨励品種採用

タイトル 水稲「モチミノリ」の奨励品種採用
担当機関 大阪府立農林技術センター
研究期間 1996~1996
研究担当者 浦田敏業
須見司郎
西垣誠二
発行年度 1996
要約 「モチミノリ」は、早生の偏穂重型品種で、縞葉枯病抵抗性などの耐病性を備えている。「アキシノモチ」に比較して、早熟で倒伏に強く、収量性はやや高く、品質も安定し、食味が優るので、府下全域を対象に奨励品種に採用する。
背景・ねらい  大阪府の全域(平坦部から山間部)に適する奨励品種として、昭和43年に採用された中生種「アキシノモチ」は熟期がやや遅く、倒伏に弱く、収量品質がやや劣ることが問題となっている。このため、早生で倒伏に強く、収量、品質の安定した食味の良いもち品種に対する要望が高い。
成果の内容・特徴
  1. 出穂期は「アキシノモチ」より早く、成熟期が平坦部では11日程度早い早生の糯種である(表1)。
  2. 稈長は「アキシノモチ」より短稈で、穂長はやや長く、穂数はやや少ない偏穂重型品種である。草姿がよく、粒着密度が中で脱粒性は難であり、ふ先色、ふ色は褐色である。耐倒伏性は「アキシノモチ」より強く、穂発芽性は難である(表1)。
  3. 縞葉枯病抵抗性であり、いもち病に対しては抵抗性遺伝子Pi-kを持つと推定され、葉いもち及び穂いもちの耐病性はともにやや強である(表1)。
  4. 収量は「アキシノモチ」よりやや多収であり、千粒重は「アキシノモチ」並、品質は「アキシノモチ」と同程度に安定している(表1)。
  5. 「アキシノモチ」に比べ餅の外観が良く、粘りがあり、食味が良い(表2)。
成果の活用面・留意点
  1. 適応地帯は、府下全域(平坦部から山間部)で、普及面積は100haを予定している。
  2. いもち病抵抗性はやや強であるが、常発地では適期防除に努める。
  3. 施肥は「晴々」程度とし、多肥栽培は避ける。
  4. 良質米生産に向けて、適期刈取に努める。
図表1 210157-1.jpg
図表2 210157-2.jpg
カテゴリ 病害虫 いもち病 縞葉枯病 水稲 施肥 抵抗性 抵抗性遺伝子 品種 防除 良食味

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