稲品種「ひとめぼれ」の葉色診断による穂肥施用基準

タイトル 稲品種「ひとめぼれ」の葉色診断による穂肥施用基準
担当機関 広島県立農業技術センター
研究期間 1996~1996
研究担当者 古土井悠
下澤秀樹
発行年度 1996
要約 「ひとめぼれ」の良質安定化には、減数分裂期の葉色値を36~37に保つ必要がある。この葉色に導くための幼穂形成期の窒素施用量は、葉色値が37以下で3kg/10a、38~40で2kg/10a、44以上では施用しないなどのめやすを策定した。
背景・ねらい  平成8年に奨励品種に採用した「ひとめぼれ」は県中北部地帯の主要品種として普及拡大が期待される。この地域では、気象、土壌等の環境条件が複雑で、生育が一様でないので、生育診断技術を確立し、地域全体で均質、良質な米を生産することが重要である。
 そこで、良質安定化のための葉色診断による穂肥施用のめやすを策定した。
成果の内容・特徴
  1. 収量は減数分裂期(葉耳間長0期)の葉色が濃いほど増加する(図1)。しかし、減数分裂期の葉色値が37を超えると、倒伏程度の大きいものが増加し、玄米の良質粒割合は低下し、検査等級が2等になるものが多い(図1)。さらに、白米蛋白質含有率も高くなり(図2)、食味が低下すると考えられる。
  2. 減数分裂期の葉色は収量、品質、耐倒伏性との関係が大きく、良質安定化のためには減数分裂期の葉色値は36~37に保つことが重要である。
  3. 穂肥Ⅰ窒素施用量が同一の場合、幼穂形成期の葉色値と減数分裂期の葉色値との間には高い正の相関関係が認められ、年次による差異は小さい(図3)。図3から、減数分裂期の葉色値を36~37に保つ穂肥Ⅰの施用量を作成し、表1に示す。
  4. 穂肥ⅡのN量が多いものは白米蛋白質含有率が高い(図2)。低蛋白化のためには穂肥Ⅱを控える。しかし、減数分裂期の葉色値が34以下の場合には穂肥ⅡN施用により若干の増収、品質向上効果が認められる(データ省略)。このことから、穂肥ⅡN施用量のめやすを表1に示す。
成果の活用面・留意点
  1. 本めやすは普通化成肥料を用いての成績であるので、堆厩肥の多施用、緩効性肥料施用水田等では肥効の出方を考慮して利用する。
図表1 210169-1.jpg
図表2 210169-2.jpg
図表3 210169-3.jpg
図表4 210169-4.jpg
カテゴリ 肥料 水田 生育診断技術 品種 良食味

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