水稲過酸化カルシウム粉衣種子を保存するための粉衣前浸種条件

タイトル 水稲過酸化カルシウム粉衣種子を保存するための粉衣前浸種条件
担当機関 兵庫県立中央農業技術センター
研究期間 1996~1998
研究担当者 岩井正志
須藤健一
発行年度 1996
要約 水稲過酸化カルシウム粉衣種子の保存方法を、粉衣前の浸種期間について検討したところ、従来の浸種期間より短い無浸種あるいは30℃1日間浸種とすれば、2か月間は出芽率の低下がなく保存可能である。
背景・ねらい  湛水直播水稲の苗立ちは、過酸化カルシウム剤を籾に粉衣し、発芽に必要な酸素を供給することで、安定するようになった。このため、種子への粉衣は現在の湛水直播栽培には不可欠な作業であるが、種子粉衣には粉衣用の専用器具を用いる必要があり、操作がやや煩雑である。また、種子粉衣作業は、発芽力の低下を懸念して、通常播種直前に行うため、ほ場作業と競合することが多い。そこで、作業ピークの緩和および器具の有効利用を図り、種子粉衣をまとめて行い農家へ配布する体制を確立するため、粉衣種子の貯蔵方法を粉衣前の浸種期間の点から明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. 粉衣前の浸種処理として、無浸種および30℃1日間浸種では、粉衣後30℃条件で70日間保存した後も湛水播種での出芽率は低下せず、種子保存が可能である(図1、2)。
  2. 2日間以上の粉衣前浸種処理では、70日保存後の出芽率が低下する。この低下程度は、浸種期間が長いほど大きい(図1、2)。
  3. 穂発芽性の異なる品種として、コシヒカリとキヌヒカリを用いたが、両品種に差はなく、いずれも30℃2日間以上の粉衣前浸種で出芽率が低下する(図1、2)。なお、30℃2日間浸種籾の状態は、鳩胸もしくは芽が少し見える程度である。
成果の活用面・留意点
  1. 保存中の水分が高いと芽を出すことがあるので、種子粉衣後は乾燥させ、紙袋や網袋に入れ、日陰で保存する。
  2. 農家段階で利用する場合は、危険率をみて1か月程度の貯蔵にとどめ、常温で2日程度の浸種後粉衣する。
図表1 210172-1.jpg
カテゴリ 乾燥 直播栽培 水稲 播種 品種

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