ナシを加害するニセナシサビダニの簡易密度調査法

タイトル ナシを加害するニセナシサビダニの簡易密度調査法
担当機関 鳥取県園芸試験場
研究期間 1995~1995
研究担当者 伊澤 宏毅
発行年度 1996
要約 虫体が微小なため肉眼観察が困難なナシに寄生するニセナシサビダニを粘着テープを用いて捕捉し、感水紙へ押しつぶすことにより青色に変色する程度によって虫密度が簡易に調査できる。
背景・ねらい  近年、ナシを加害するニセナシサビダニが多発する傾向にある。特に、二十世紀ナシでは5月後半から発育枝の葉に発生が多くなり、葉が巻いたり、甚だしい場合には早期落葉するが、サビダニの虫体が微小なため肉眼観察が困難で、発見が遅れやすい傾向にあり、簡易密度調査法の確立が求められている。
 ニセナシサビダニの体長は0.2㎜と微小であるが、多発した場合は1葉当たり1,000頭以上にも達するため、サビダニを感水紙に押しつぶすときの青色に変色する程度によって大まかな密度程度を推定できることがわかった。
成果の内容・特徴 ニセナシサビダニの簡易調査法の手順
  1. 5~6月にナシの新梢先端部の展開葉を採取する。
  2. 葉の中肋に沿ってカッターナイフで二分し、一方の葉裏を粘着テープ(スコッチ製メンディングテープ)に貼り付け、指先でこすりつける。
  3. テープをゆっくりとはがし、サビダニを捕捉したテープの粘着面を感水紙(スプレーイング・システムズ社製)に強くこすりつけ、虫体を押しつぶす。
  4. 押しつぶされた虫体は、体液によって感水紙を青色に変色させるため、変色程度によって寄生密度を大まかに推定する(第1図)。
成果の活用面・留意点
  1. ニセナシサビダニは葉が硬化すると移動してしまうので、新梢(徒長枝)の先端部の展開葉は赤みが若干残っている葉を採取する。
  2. 感水紙は水分が付着したり、直接手で触れたりすると青色に変色してしまうので、感水紙を取り扱うときには薄手のビニール手袋などを着用する。
  3. 感水紙は常に乾燥した冷暗所に保存し、高湿度条件をさける。
  4. 直接サビダニを実体顕微鏡で観察する場合は、虫体を捕捉した粘着テープをプレパラートに固定して行う(第2図)。
図表1 210205-1.jpg
図表2 210205-2.jpg
カテゴリ 乾燥 くこ くり ニセナシサビダニ 日本なし

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