リン酸集積イチジク園地でのイチジクの無リン酸栽培試験

タイトル リン酸集積イチジク園地でのイチジクの無リン酸栽培試験
担当機関 大阪府立農林技術センター
研究期間 1995~1996
研究担当者 辰巳眞
木村良仁
発行年度 1996
要約 府下のイチジク園では、蒸製骨粉の多量連用によりリン酸が集積傾向である。そこで、リン酸集積園地においてリン酸を含まない被覆肥料を利用すると、生育・収量及び品質は慣行法と変わらず、しかも土壌中のリン酸が漸減傾向を示す。
背景・ねらい  大阪府東南の南河内地域では、イチジクを完熟果で出荷しているため、品質(糖度)をとくに重要視しているが、糖度を高めるためには蒸製骨粉の施用が欠かせないとの考えから、蒸製骨粉を多量に連用している。このため、可給態リン酸が過剰に集積している園地が多い。 
 そこで、環境に配慮した土壌・施肥管理を推進するため、リン酸を含まない被覆肥料の利用により、品質や樹勢を維持しつつ、土壌中のリン酸を適正な基準にまで少なくする施肥法を検討する。
成果の内容・特徴
  1. イチジク園(52地点)の可給態リン酸含量の平均値は、1988年の調査で309mg/100g(最高値922mg/100g、最低値20mg/100g)であり、そのうち8割以上が100mg/100gを超えている。5年後の調査(35地点)では、平均値は495mg/100g(最高値1,182mg/100g、最低値104mg/100g)に達し、リン酸はさらに集積傾向にある(表1)。
  2. 蒸製骨粉の施用量実態(32地点)の平均値は、155kg/10a(最高値 360kg/10a、最低値 0kg/10a)である(表2)。
  3. イチジクの生育・収量及び品質は、被覆肥料と蒸製骨粉の間にほとんど差が認められない(表3)。
  4. リン酸を含まない被覆肥料を利用して現地栽培試験を続けると、土壌中の可給態リン酸が漸減傾向を示す(表4)。この試験地で適正な基準値と考えられる10~75mg/100gになるまでには、少なくとも5年間無リン酸栽培が必要である。
成果の活用面・留意点  本成果はリン酸が集積したイチジク園で活用できる。
図表1 210218-1.jpg
図表2 210218-2.jpg
図表3 210218-3.jpg
図表4 210218-4.jpg
カテゴリ 肥料 いちじく 出荷調整 施肥

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