タイトル |
夏季収穫ホウレンソウの包装、輸送法の改善による鮮度保持 |
担当機関 |
兵庫県立北部農業技術センター |
研究期間 |
1995~1996 |
研究担当者 |
永井耕介
小河拓也
中川勝也
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発行年度 |
1996 |
要約 |
現行フィルム(OPP)包装の上部開放形態から小窓形態に改善することにより、ホウレンソウの高鮮度保持ができる。組立通いコンテナを用いる場合は、補助包材として新聞紙を2枚、または断熱シ-トを覆うことにより鮮度低下が抑制できる。
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背景・ねらい |
夏季高温期に収穫するホウレンソウは鮮度低下しやすく、輸送の段階でしおれや葉先の変色など品質低下がみられる場合がある。そこで、慣行の包装、産地での予冷及び保冷輸送方法の再検討を行い、週間定量出荷に対応できる低温流通システムを検討した。
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成果の内容・特徴 |
- 呼吸量は保存温度の影響が著しく、20℃に比べて5℃はほぼ1/5~1/4に、0℃では1/10まで呼吸量は低下し、低温ほど鮮度保持効果が大きい(表1)。
- 慣行の上部開放フィルム(OPP)包装に比べ、同フィルムを用いた小窓及び密封形態では葉先の萎れがみられない高鮮度保持期間は3日以上である。小窓と密封の比較では、蒸れによる劣化防止の面から上部のみをシ-ルし底部に孔の開いた小窓形態が優れている(表2)。
- プラスチック製組立通いコンテナを用いる場合の補助包材の比較では発泡スチロ-ルシ-トは最も品温の変化が少ない。現行の新聞紙1枚使用は温度の変動が大きく、外気温の影響を受けやすいが、新聞紙2枚使用では前2処理の中間的な温度変化である。品質は新聞紙1枚処理に比べて、発泡スチロ-ルシ-トおよび新聞紙2枚使用のものが優れており、新聞紙2枚使用は簡易で実用的な改善策である(図1、表3)。
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成果の活用面・留意点 |
- 夏季収穫ホウレンソウの3日程度の鮮度保持には、慣行の包装フィルムの上部中央5cm幅を部分シールする包装法が実用的で、150~200Km圏の予冷、保冷輸送の出荷調節を想定した低温流通システムである。
- 改良した包装法は、MA(調整空気)の呼吸抑制による鮮度保持よりも、萎れ防止対策としての効果の方が大きいことに留意する。
- プラスチック製組立通いコンテナは回収容積が約1/5になり、輸送コストの軽減とダンボ-ル箱による消費地廃棄物の軽減がはかれる。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
コスト
出荷調整
ほうれんそう
輸送
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