ドングリの利用技術と澱粉の特性

タイトル ドングリの利用技術と澱粉の特性
担当機関 鳥取県食品加工研究所
研究期間 1996~1998
研究担当者 山下昭道
松田弘毅
松本通夫
有福一郎
発行年度 1996
要約 ドングリ13種類の一般成分とタンニン含量を調査し、最もアクの多いミズナラのアク抜きにより韓国市販品と同等以上の澱粉が得られた。ミズナラ澱粉の糊化特性を明らかにした。このミズナラ澱粉は肥満しにくい可能性が示唆された。
背景・ねらい  鳥取県と韓国江原道との交流の中で、韓国ではドングリの加工品を食し、ドングリのことをトトリと発音し鳥取を連想させるところから、中山間地域にみられるドングリを用いて鳥取県の特産品として開発しようとするものである。
成果の内容・特徴
  1. 鳥取県内および近傍のドングリ13種類について一般成分とタンニン含量を調査した。蛋白質はコナラ属のアカガシ亜属よりコナラ亜属の方が若干多い傾向である。脂質および灰分はマテバシイ属やシイ属で少ない傾向である。タンニン含量は、そのまま食すことも可能なシイではみられず、アクが少ないとされているマテバシイ、シリブカガシ、ウバメガシなどでは2
    %以下で最も多いものはミズナラであった(表1)。
  2. 最もアクが多く、かつ、多量に採集可能なミズナラについて、水浸漬、磨砕、ロ過布で澱粉を含んだ液を漉し、静置し粗澱粉を沈澱させ、水さらしを3
    回繰り返してアク抜きをした精製澱粉は炭水化物以外の成分が良く取り除かれ、タンニンが少なく、色調が明るくて韓国市販ドングリ澱粉と比べて同等以上の品質が得られた(表2)。
  3. このミズナラ澱粉の糊化特性について、示差熱分析法による糊化温度と粘度について検討した。精製したミズナラ澱粉は粗製のものに比べて糊化温度が低くなり、糊化ピーク温度は78.5℃であった。8
    %澱粉を含む溶液を撹拌加熱して90℃以上に達してから10分間保持した後、80℃で粘度を測定したところミズナラ澱粉糊は極めて大きな粘度を示した(表3)。
  4. このミズナラ澱粉(精製)のラットを用いた澱粉負荷後の血糖値を調べた結果では、インスリン分泌がおだやかとされている米澱粉に比べて、さらに血糖値の上昇が低く肥満しにくい可能性が示唆された(図1)。(鳥大医技短大、共同)
成果の活用面・留意点
  1. ドングリ澱粉は摂取しても肥満しにくい可能性が示唆され、ドングリ食品を開発するうえで参考になる。
図表1 210245-1.jpg
図表2 210245-2.jpg
図表3 210245-3.jpg
図表4 210245-4.jpg
カテゴリ 加工 中山間地域

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