セル成型苗を用いた葉ネギの機械移植栽培

タイトル セル成型苗を用いた葉ネギの機械移植栽培
担当機関 京都府農業総合研究所
研究期間 1995~1996
研究担当者 松尾 嘉重
村松 功
発行年度 1996
要約 葉ネギの機械移植には、専用機種である全自動タマネギ移植機が適する。それに対応するセル成型苗の育苗では、施肥法の解明によりベンチ育苗が可能となり、通常行う地床直置き育苗に比べ、省力的で、軽作業化が図れる。
背景・ねらい  府内の葉ネギ産地では、一般的には手作業による移植栽培が行われており、苗とりや定植作業に多くの労力を必要としている。そこで、これらの作業の省力化を図るため、セル成型苗を利用した機械移植技術について検討した。
成果の内容・特徴
  1. 全自動野菜移植機3機種の比較では、慣行の栽植様式に適合し、作業能率の高いM社タマネギ移植機が葉ネギの移植に最も適する。本機は4条植えで、10a当たり約1時間で移植でき、慣行の40時間に比べ大幅な省力化が可能である(表1)。また、育苗面積も20~25㎡と慣行の10%以下ですむ。
  2. 移植機に対応するセル成型苗の育苗は、専用の448穴トレイを用いる。通常はトレイを地床に直置きして行うため根鉢が形成されず、移植時に根鉢を固める凝固剤処理が必要である。しかし、ベンチ育苗ではトレイ内で根鉢が形成されるため、凝固剤処理を省くことができ、収穫期のネギの生育も、地床直置き育苗や慣行育苗とほぼ同等となる(表2)。
  3. 地床直置き育苗は中腰作業が多いが、ベンチ育苗は、立ったままの作業が可能で軽作業化が図れる。
  4. ベンチ育苗の培養土は、市販のバーミキュライトやピートモス主体の比重の小さなもので良い。施肥は、液肥(N:P2 O5 :K2 O=10:4:8%)を利用し、播種後2週間目から200倍液をトレイ1枚当たり500ml、週に2回かん注する(表3)。
成果の活用面・留意点
  1. ベンチ育苗は、培養土の水分変化が大きく、かん水量や天候によっては過湿により苗が腐敗する場合があるので、天候に応じかん水量を加減する。
  2. 移植適期は、播種40~60日後であるが、その間に苗は30cm以上の草丈に生長することがあるため、育苗中数回剪葉を行い、機械移植に適する10~20cmの長さに仕上げる。
図表1 210253-1.jpg
図表2 210253-2.jpg
図表3 210253-3.jpg
カテゴリ 育苗 栽培技術 省力化 施肥 たまねぎ ねぎ 播種

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