タイトル |
ラッキョウの収量予測式 |
担当機関 |
鳥取県園芸試験場 |
研究期間 |
1995~1995 |
研究担当者 |
森本康史
藤井信一郎
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発行年度 |
1996 |
要約 |
鳥取県岩美郡福部村で生産されるラッキョウを対象に、過去20年間の気象観測値と農協出荷データを用いて収量予測式を作成した。予測式は1月の日最高気温、11月、12月の月間降水量を用いるため、出荷の数カ月前から予測が可能である。
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背景・ねらい |
最近の野菜の流通は、量販店が中心であり、出荷前に等級、品質、数量などの正確な出荷情報の提供が重視される。鳥取県のラッキョウでは出荷前に生産者と市場の双方が出席して販売計画の会議がもたれており、そこでは正確な収量予測が強く求められている。そこで、過去の気象観測値と農協の出荷データを基にして収量予測式を組み立てた。この収量予測式は、冬季の気象観測値のみを用いるため、出荷の数カ月前に予測が可能である。
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成果の内容・特徴 |
- 鳥取県東部のラッキョウの収量と月別気象観測値との相関関係は、気温、日照時間、降水量の中で1月の気温が最も高く、正の相関関係が認められた(表1)。
- ラッキョウの収量(Y)を目的変数、月別の気温、日照時間、降水量を説明変数(X)とする重回帰分析分析により、収量予測式を計算した。なお、収量は鳥取県岩美郡福部村の農協出荷データ(昭和50~平成6年の20年間)、気象観測値は同郡岩美町岩井の観測地を用いた。
- 重回帰分析分析の結果、ラッキョウの収量予測式は次式のとおりであった。
Y=137.943X1 + 1.189 X2 + 1.656X3 + 371.97 R2 =74.64** Y:収量(Kg/10a) X1 :1月の日最高気温の月平均(℃) X2 :11月の月間降水量(mm) X3 :12月の月間降水量(mm) 標準偏回帰係数X1 :0.921、X2 :0.290、X3 :0.507
- この収量予測式の標準偏回帰係数は数値が大きい程重要度が大きく、1月の日最高気温、12月の降水量、11月の降水量の順にラッキョウの収量予測値に対する影響が大きい。
- 実際の収量に対して予測値は昭和61年、平成3年、同4年は実測値に対して200Kg以上の誤差があったが、平均すると117Kg(6.2%)の誤差でよく適合した(図1)。
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成果の活用面・留意点 |
- 鳥取県岩美郡福部村のらくだ系の品種に適用する。
- 鳥取県岩美郡岩美町岩井における気象観測値を利用する。
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図表1 |
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図表2 |
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カテゴリ |
出荷調整
品種
らっきょう
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