タイトル |
チューリップ球根の低温処理時期・期間と切り花品質 |
担当機関 |
島根農業試験場 |
研究期間 |
1996~1996 |
研究担当者 |
稲村 博子
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発行年度 |
1996 |
要約 |
チューリップ促成切り花の品質向上に必要な低温処理期間は、処理開始時期によって異なり、処理開始が8~9月の場合には6~8週間で十分であるが、10~11月では10~14週間、12月では8~10週間である。
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背景・ねらい |
チューリップの1~3月出し栽培において、低温処理の開始時期及び期間と切り花品質との関係は明らかにされておらず、生産現場では経験に頼っているのが実状である。そこで、低温処理ごとに好適な処理期間を明らかにし、切り花品質向上のための指導資料とする。
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成果の内容・特徴 |
‘イルデフランス’を用い、8月~12月にかけて、各月の上旬に低温(5℃)処理を開始した。球根は10月までは23℃で、それ以降は自然温度下で貯蔵した。処理期間は、各時期とも6~14週間(2週間間隔)の5段階とした。低温処理後、10℃2週間で発根させた後、20℃の恒温室(16時間人工照明)で栽培した。
- 到花日数は、低温処理開始時期が遅いほど、また、低温処理期間が長いほど短い。なお、低温処理期間が長くなるに従って到花日数が短くなる傾向は、処理開始時期が早いほど顕著である(図1)。
- 8~9月に低温処理を開始する場合には、切り花長に及ぼす処理期間の影響は小さく、短期間でも切り花長は比較的長い。したがって、この時期の低温処理期間は、6~8週間で十分である(図2)。
- 10~11月に低温処理を開始する場合には、短期間の処理では切り花長が短く、切り花品質が劣るため、10~14週間の処理が必要である(図2)。
- 12月に低温処理を開始する場合、切り花長を長くするためには8~12週間の処理が必要である。しかし、処理期間が長いと切り花重が軽くなるため、8~10週間の処理にとどめる(図2)。
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成果の活用面・留意点 |
好適な低温処理方法(温度、期間)は品種によって異なるため、それぞれの品種については、12月出し栽培の低温処理法を基準にして更に検討する必要がある。ちなみに‘イルデフランス’の12月出し栽培では、5℃で8週間の本冷蔵が標準である。
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図表1 |
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図表2 |
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カテゴリ |
チューリップ
品種
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