カンキツの畝立て栽培におけるフィルムマルチ開閉器の開発

タイトル カンキツの畝立て栽培におけるフィルムマルチ開閉器の開発
担当機関 広島県立農業技術センター
研究期間 1996~1998
研究担当者 中元勝彦
中谷宗一
湯浅哲信
発行年度 1996
要約 カンキツの畝立て栽培を対象に開発したマルチ開閉器の効果は、慣行の手作業に比べてマルチ開閉作業時間が12分の1に短縮でき、心拍数増加率も低く、マルチ開閉作業が早く楽にできる。10a当たりの資材費は、約9万円である。
背景・ねらい  畝立て栽培におけるフィルムマルチ(以下マルチ)の基本管理は、降雨遮断や抑草および果実の着色を促進する場合の全面被覆と施肥や有機物の施用および土壌の乾燥を促進する場合の全面開放である。しかし、マルチ開閉作業は、多大な時間と労力を要しているため、省力化が必要である。そこで、マルチ開閉作業を省力化するための器具を開発する。
成果の内容・特徴
  1. マルチ開閉器は、ハンドルと数本の直管パイプを連結した構造で(図1)、製作に必要な資材費は、10a当たり約9万円である(表1)。直管パイプの耐用年数は、約10年である。
  2. マルチ資材は、フィルムが互いに接着しにくい多孔質シートが適している。それをまず畝中央で専用テープにより接着した後、地面から15cm離して幹に固定する。さらに、その両端をマルチ開閉器に重ねてハウスパッカーで圧着する。このとき、マルチ被覆状態になる(図1)。なお、耐風性を高めるために、畝の両端は肥料袋等で被覆する。一方、畝面の下から上に向かって巻き上げ、株元で停止させると開放状態になる(図1)。なお、巻き上げたマルチ開閉器のずり落ち防止のためにハンドル止めを設ける。
  3. 畝間3.5m、畝幅2m、畝高0.4mの畝立て栽培園で調査した結果、10a当たりのマルチ開閉所要時間は、夏季12分、冬季10分で、慣行の手作業で開閉する場合の約12分の1に短縮でき、所要歩数は慣行の約8分の1に短縮できる(表2)。
  4. マルチ開閉器を利用した作業の強度は、手作業に比べて心拍数増加率が低くなるので(表2)、作業が楽にできる。
成果の活用面・留意点  多孔質シートは、裏面が黒色のものを使用して抑草効果を高める。
図表1 210284-1.jpg
図表2 210284-2.jpg
図表3 210284-3.jpg
カテゴリ 肥料 乾燥 省力化 施肥 その他のかんきつ

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