時間制限給餌及び炭酸水素ナトリウム添加による腹水症抑制効果

タイトル 時間制限給餌及び炭酸水素ナトリウム添加による腹水症抑制効果
担当機関 京都府畜産研究所
研究期間 1996~1996
研究担当者 衣川貞志
吉岡正行
松田誠一
松本次郎
発行年度 1996
要約 4~5週齢の時間制限給餌は冬期の腹水症の発生率を約1/3に減少させる。炭酸水素ナトリウム添加の腹水症抑制効果は認められない。
背景・ねらい  近年、ブロイラーは育種改良や飼育管理技術等の進歩により、増体能力が飛躍的に向上している。それに伴い熱射病死、突然死症候群、腹水症等の発生が生産性向上に悪影響を与えている。ブロイラーの腹水症は冬期における重要な生産性阻害要因であり、また食鳥検査でも最も多い廃棄原因となっており、その経済損失は大きいと考えられる。W.Dudleyらは重炭酸ナトリウムの飼料1%添加はブロイラーの低気圧下の腹水症を抑制させたとし、また横田らは開放鶏舎を用い4~5週齢に一日6時間給与とする制限給餌が生産性を損なわず、腹水症を低減させたとしている。
 そこで、炭酸水素ナトリウム添加と制限給餌(22から35日齢まで一日6時間給餌)による腹水症抑制効果についてウインドウレス鶏舎を用い検討する。
成果の内容・特徴
  1. 制限給餌は腹水症の発生率を有意に低減(1/3)し、また腹水症以外の死亡鶏も減少し、育成率で有意に優れた(表1)。腹水症の指標となる右心室/全心室の重量比(API)は制限給餌により有意に小さくなり、腹水症抑制効果が形態的にも確認される。制限給餌は出荷体重で劣るが、生産指数に差はなく腹水症抑制技術として有効と考えられる(表1、2)。
  2. 炭酸水素ナトリウム添加による育成成績、腹水症発生率の有意な改善効果は認められず、逆に増加する傾向が認められる。炭酸水素ナトリウム添加はAPIが大きくなる傾向がある(表1)。
成果の活用面・留意点
  1. 冬期4~5週齢時育成中期の制限給餌は腹水症抑制効果があり、育成率が有意に改善され、出荷体重は小さくなるが、生産指数、収益指数で優れる。
  2. 制限給餌等の技術は低温感作や換気不足防止等、環境の改善技術と併用する必要がある。
  3. 制限給餌の方法は各農家の施設に適応した自動給餌器操作等を考慮する必要がある。
図表1 210302-1.jpg
図表2 210302-2.jpg
カテゴリ 育種 管理技術 出荷調整

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