超早期母子分離による黒毛和種母牛の11か月1産技術

タイトル 超早期母子分離による黒毛和種母牛の11か月1産技術
担当機関 兵庫県立北部農業技術センター
研究期間 1996~1998
研究担当者 福島護之
木伏雅彦
野田昌伸
発行年度 1996
要約 分娩後7日目に黒毛和種母子を超早期分離することにより母牛の空胎期間は、約45日に短縮できる。同時に子牛の下痢発生が減少し、発育は、従来の6か月離乳と同等の発育が確保できる。
背景・ねらい  近年、繁殖経営の多頭化に伴って子牛の下痢発生が増加傾向にあり、それに伴う子牛の発育不良による経営効率の低下が懸念されている。一方、最近の胚移植における異品種間移植の普及に伴って、黒毛和種新生児の早期離乳・哺育技術が検討され、ホルスタイン種から生産された黒毛和種子牛は、生時体重が大きいという利点もあって黒毛和種から生産された場合とほぼ同様の発育をすることが報告されている。従来から取り組まれている繁殖雌牛の1年1産という目標は、全体としては達成されておらず、経営効率の改善が進んでいない現状にある。
 そこで、和牛繁殖経営において分娩後7日目の超早期に母子分離を行った場合の母牛の繁殖性と子牛の発育に及ぼす栄養水準の影響を検討した。
成果の内容・特徴
  1. 母牛の栄養水準が繁殖性に及ぼす影響:初回発情までの日数は母子分離を行わない対照区の79.2日に比較して、試験区では30.2~33.8日と有意(P<0.05)に短縮した(表1)。また、空胎期間も対照区の104.6日に比較して母子分離後に日本飼養標準による黒毛和種成雌牛の維持に要する養分量の80と100%区では、それぞれ44.4日と47.0日と有意(P<0.05)に短縮し、11か月1産が可能となった(表1)。
  2. 超早期母子分離後の子牛の発育:乳用子牛での哺育育成方法に準じて60日齢離乳の試験を行った。人工乳は、DCP15%、TDN75%、90日以降は、DCP12%、TDN72%の子牛育成用飼料を用い、乾草と人工乳は不断給餌とした。子牛の体重は対照区に比較して45日齢までは試験区
    の各区が低かったが60日齢以降では同水準となった(表2)。また、子牛の体高も28日齢
    までは対照区に比較して低かったが、60日齢以降は同水準であった(表2)。子牛の腹囲
    と胸囲の差は、試験区において対照区に比較して大きく、腹部の張った外貌をしていた( 表2)。しかし、90日齢以降では400g区を除いて対照区と同程度となった。下痢の発生を
    示すスコアは、対照区が高かった(表3)。
  3. 代用乳の少ない400g投与区では他区に比較して早くから人工乳に依存する傾向がみられ
    た。
成果の活用面・留意点  早期母子分離後の母牛の栄養水準は維持期の80~100%が望ましい。
 子牛にとっては早期分離による発育の遅れは90日齢までに解消されるが、哺乳方法の簡
略化などについては検討する必要がある。
図表1 210312-1.jpg
図表2 210312-2.jpg
図表3 210312-3.jpg
カテゴリ 経営管理 繁殖性改善 品種

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