ホルモン処理した幼齢牛からの卵子採取方法の改良

タイトル ホルモン処理した幼齢牛からの卵子採取方法の改良
担当機関 兵庫県立中央農業技術センター
研究期間 1996~1996
研究担当者 秦谷豊
冨永敬一郎
藪上剛
発行年度 1996
要約 ホルモン処理した幼齢牛からの開腹手術による卵子の採取方法にヒト卵子採取用のダブルルーメン卵子採取装置を利用すると、従来の18G針を付けた20ml注射器を用いた採取法よりも採卵率が約30%向上する。
背景・ねらい  幼齢牛から多くの産子を得るには、性腺刺激ホルモン(PMSG-hCG)処理した卵胞から卵子の採取効率を向上させることが必要である。そこで、従来の18G針を付けた20ml注射器を用いて卵胞液とともに卵子を吸引採取する方法(従来法)に代えて、針先に吸引口と排出口があるヒト卵子採取用のダブルルーメン卵子採取装置(図1)を用いた採取法(改良法)について検討した。改良法では 110mmHgの吸引圧で卵胞を吸引後、10単位/mlヘパリン添加mPBSを1卵胞につき0.2~0.3mlずつ入れて再び吸引するフラッシング操作を2回行って採卵した。
成果の内容・特徴
  1. 生後3か月齢の黒毛和種とホルスタイン種の交雑種(F1 )を用いて5mm以上の卵胞から採取した1頭当たり卵子数の平均±標準偏差は、従来法では18.3±14.2個、改良法では 33.4±21.7個であるが個体差が大きい(表1)。
  2. 1頭当たり採卵率(採取卵子数/吸引卵胞数)の平均±標準偏差は、従来法では 57.9±18.2%、改良法では87.5±13.9%と、改良法が従来法に比べ有意に高い(P<0.05)採卵率が得られる(表1)。
  3. 個体別採卵率では改良法は全て60%以上であり、安定した採卵が可能である(図2)。
    以上から、幼齢牛からの開腹採卵において、ヒト卵子採取用ダブルルーメン卵子採取装置を用いることは、採卵効率の向上に明らかに有効である。
成果の活用面・留意点
  1. 吸引開始前にヘパリン添加mPBSを用いてダブルルーメン卵子採取装置の作動を確認する。幼齢牛から成牛まで幅広く活用できる。
  2. フラッシング液の量は卵胞の大きさにあわせて変える。
図表1 210321-1.jpg
図表2 210321-2.jpg
図表3 210321-3.jpg
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