タイトル |
中山間地積雪地帯におけるパイプハウスの耐雪対策 |
担当機関 |
鳥取県園芸試験場 |
研究期間 |
1994~1995 |
研究担当者 |
亀田 修二
木村 順二
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発行年度 |
1996 |
要約 |
中山間地積雪地帯におけるパイプハウスの周年利用には、耐雪型パイプハウスの建設が最も望ましい。そしてより耐雪性を高める対策として、2~5m間隔での支柱の設置とハウスサイドの積雪が軒高に達する前の除雪が必要である。
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背景・ねらい |
本県中山間地帯では、一部の地域でパイプハウスによる周年栽培が行われているが、近年の積雪によるハウスの倒壊が相次いでいる。そこで、県内の積雪による倒壊及び未倒壊ハウスの事例を調査し、積雪時におけるパイプハウスの維持・管理対策を検討した。
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成果の内容・特徴 |
- パイプハウスの倒壊タイプは、中折型倒壊(図1)と横倒型倒壊(図2)に分類される。
- 中折型倒壊は、ハウス上部の積雪の重みによる倒壊で、パイプ径が細いことや支柱及び除雪の不徹底が主要因となる(表1事例2、4)。
- 横倒型倒壊は、ハウスサイドに滑落してたまった雪の重みによる倒壊で、除雪のためのハウス間隔の不足及び除雪の不徹底が主要因となる(表1事例1、3)。従って、ハウスサイドは作業に支障のない程度に間隔を設け、定期的に除雪を行う必要がある。
- 既存のパイプハウスでも、主骨のパイプに内部から充分な補強を施すと同時に、融雪等の対策を講じれば被害回避は可能である(表1事例5~7)。
- 耐雪型パイプハウスは、横梁ジョイント部(図3)の強度不足による倒壊が想定されるが、支柱(31.8㎜パイプ、間伐材、竹等)の設置と除雪を徹底したため倒壊しなかった(表1事例8)。
- 以上より、ハウスの倒壊を未然に防ぐためには、耐雪型パイプハウス(パイプ径31.8mm以上、パイプ間隔40~45cm、屋根ジョイント角度30度前後、横梁等による補強)に支柱を2~5m間隔に設置する方法が最も実用的で、ハウスサイドの積雪が軒高に達する前に定期的に除雪(融雪)し、ハウス上部の積雪を滑落させることも必須となる。
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成果の活用面・留意点 |
- ハウスの棟間隔は除雪作業の妨げとならないように充分にあける。
- 棟方向は雪の吹きだまりができない方向とする。
- 妻面のないハウスの設置は避ける。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
中山間地域
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