茶園における被覆尿素肥料利用による窒素溶脱量の低減効果

タイトル 茶園における被覆尿素肥料利用による窒素溶脱量の低減効果
担当機関 京都府立茶業研究所
研究期間 1997~1997
研究担当者 荻 安彦
工藤康將
藤井孝夫
藤原敏郎
発行年度 1997
要約 自然仕立て茶樹の窒素吸収特性を考慮し、慣行の施肥体系を被覆尿素肥料を利用した施肥体系に置き換えることにより、同窒素レベルにおいては、一番茶新芽の全窒素含量を維持しつつ、硝酸態窒素溶脱量を1~2割低減できる。
背景・ねらい  玉露、てん茶栽培では、高品質を追求するあまり過剰な肥料投入が行われる傾向にあり、窒素溶脱等による環境への負荷が懸念されている。そこで、被覆尿素肥料等を利用し、茶樹の養分吸収特性に応じた効率的な施肥体系を確立するために、ライシメータによる栽培を行い、施用窒素の収支を把握することによって環境負荷への低減効果を調査した。
成果の内容・特徴
  1. 自然仕立て茶樹の窒素吸収特性を考慮し、秋肥に被覆尿素肥料70日タイプ(以下LP70という)を主体とした混合肥料を、また、一番茶摘採後の番刈り直前に、夏肥としてLPSS(シグモイド溶出型)100日タイプを施用することで年間窒素施用量の約40%を被覆尿素肥料で置き換える施肥体系を組み(表1)、浸透水中の窒素溶脱量を調査した。
  2. 被覆尿素肥料を利用した施肥体系により、浸透水中の硝酸態窒素溶脱量は、同じ窒素レベルでは、慣行に比べ52gN/㎡/年区では12%、75gN/㎡/年区では24%低減した(図1)。
  3. 被覆尿素肥料を利用した施肥体系による茶樹への吸収については、一番茶新芽の全窒素濃度に関しては施肥量に比例して高くなるが、同じ窒素レベルでは慣行区と差がなく(図2)、また、一番茶新芽を含む地上部全体の全窒素含量に関しては、施肥量に関係なく差はなかった(表2)。

成果の活用面・留意点  被覆尿素肥料を利用した施肥体系は、窒素溶脱量低減効果だけでなく、省力化(施肥回数の低減等)につながる技術である。
図表1 210352-1.gif
図表2 210352-2.gif
図表3 210352-3.gif
図表4 210352-4.gif
カテゴリ 肥料 省力化 施肥 てん茶

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