寒地型芝草による放牧草地の造成及び維持管理

タイトル 寒地型芝草による放牧草地の造成及び維持管理
担当機関 京都府碇高原総合牧場
研究期間 1997~1998
研究担当者 太田典宏
池田昌弘
常陸勝弘
発行年度 1997
要約 トールフェスク及びケンタッキーブルーグラスの芝草品種は収量の季節変動が少なく、不耕起造成により省力的に草地造成が可能で、造成後は各放牧後に追肥を行うことで良好な草勢が維持できる。
背景・ねらい  放牧を活用した夏山冬里方式による和牛繁殖経営の体系化技術を確立するため、草地の維持管理が容易であり、季節による収量変動が少ないと考えられる寒地型芝草について、放牧に利用するため品種の選定や草地造成方法及び草地の維持管理技術について検討する。
成果の内容・特徴
  1. トールフェスク(TF)ではスノーTF、ケンタッキーブルーグラス(KB)ではスノーKB2及びスノーKBジュリアが収量の季節変動が少ない(図1)。ペレニアルライグラス(PR)はいずれの品種も夏枯れが生じ、耐暑性が劣る。
  2. 混播時の播種割合は、TF(スノーTF):KB(スノーKB2):PR(アドベント)=1:4:1が1:1:1、4:1:1、1:1:4よりも季節変動が少なく乾物収量も高い(図2)。
  3. かん木等の侵入した荒廃草地での前記3草種の不耕起草地造成では、刈払いのみより非選択性除草剤の茎葉散布を組み合わせた方が牧草の定着が良い。
  4. 寒地型芝草草地の施肥は、早春に窒素と加里をアール当たり0.2kg、リン酸を1kg、放牧後ごとに窒素と加里を0.2kgの施肥で、牧草の出現頻度及び牧養力(CD/ha)が向上する(表1)。

成果の活用面・留意点
  1. 放牧利用が可能であれば和牛繁殖経営の低コスト・省力化と中山間地の景観保全が図れる。
  2. 夏期には草勢の回復が劣るので放牧圧を調整する。
  3. エンドファイトを有している品種は利用できないので注意する。

図表1 210372-1.gif
図表2 210372-2.gif
図表3 210372-3.gif
カテゴリ 病害虫 寒地 管理技術 季節変動 経営管理 さやいんげん 除草剤 施肥 耐暑性 中山間地域 低コスト省力化 播種 繁殖性改善 品種

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