黒毛和種肥育牛における血液中のビタミンAとホルモンの関係

タイトル 黒毛和種肥育牛における血液中のビタミンAとホルモンの関係
担当機関 兵庫県立中央農業技術センター
研究期間 1997~1998
研究担当者 岡 章生
太田垣進
道後泰治
壽圓正克
齋藤健光
発行年度 1997
要約 黒毛和種肥育牛において血液中ビタミンA濃度を低くすると血清中インスリン様成長因子-I及びトリヨードサイロニン濃度が低下する。
背景・ねらい  黒毛和種肥育牛においてビタミンAの給与を制限すると増体が低下するが、脂肪交雑が良くなること知られている。しかしながら、その作用機序は不明である。甲状腺ホルモン及びインスリン様成長因子-I(IGF-I)は牛において増体に関与すると言われており、さらに、血液中IGF-I濃度と脂肪交雑の間には負の相関があることが報告されている。
 そこで、ビタミンAの肉質、増体に対する作用機序を検討するために、血液中の甲状腺ホルモンとIGF-I濃度を調べた。
成果の内容・特徴  14か月齢の黒毛和種去勢牛8頭を用い、高ビタミンA群(4頭)と低ビタミンA群(4頭)に分け、高ビタミンA群にはビタミンA303mgを毎月筋肉内注射した。両群ともに21~23および26~27か月齢時にはビタミンA欠乏症を防止するためビタミンA(約100μg/kg飼料)を飼料に添加した。
  1. 試験期間中の飼料摂取量は両群で差は見られない。血清中ビタミンA濃度は高ビタミンA群では試験期間中25μg/dl以上の高い値で推移し、低ビタミンA群では20か月齢で6.6±1.6μg/dlまで低下し、それ以降は10μg/dl前後で推移する(図1)。
  2. 血清中IGF-I濃度は低ビタミンA群では徐々に低下し、18か月齢以降は試験開始時と比べ有意に低くなる(図2)。
  3. サイロキシン(T4)は両群で有意差は認められないが、トリヨードサイロニン(T3)は低ビタミンA群が有意に低い値を示す(図3)。血中T3のほとんどは末梢組織でT4からT3に変換されたものであるので、ビタミンAが末梢組織でのT4からT3への転換に影響すると考えられる。

成果の活用面・留意点  ビタミンAの肥育牛の肉質、増体に対する作用機序の解明に活用できる。
図表1 210377-1.gif
図表2 210377-2.gif
図表3 210377-3.gif
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