タイトル |
大腸菌死滅を目的とした間欠通気法による家畜糞の高温堆肥化法 |
担当機関 |
大阪府立農林技術センター |
研究期間 |
1997~1997 |
研究担当者 |
崎元 道男
森 達摩
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発行年度 |
1997 |
要約 |
家畜糞の堆肥化過程に合わせて通気時間を調整することで、発酵温度を急速に立ち上げ、高温を維持することができる。このことによって糞中の大腸菌を早期に死滅させることができる。
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背景・ねらい |
腸管出血性大腸菌 O-157の感染は家畜糞に起因することが多いため、堆肥センター等では、作業者への安全が懸念されている。そこで、発酵槽のブロアーの通気-停止サイクルを堆肥化過程に合わせて設定し、堆肥化の初期に発酵温度を急速に立ち上げて大腸菌を早期に死滅させ、中~後期に高温を維持し再増殖を防ぐことができる安全性の高い堆肥作製法について検討する。
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成果の内容・特徴 |
- 全長 68 m開放型発酵槽(処理期間 30日、スクープ攪拌による送り幅 2 m/日)を発酵日数によって 4 区画に分け(1 区画は 17 m、各区画は、発酵 0~7 日目、8~15 日目、16~23 日目及び 24~30日目に相当)、それぞれにブロアーを設置する。各ブロアーは、停止時間を 50 分に設定し、通気時間を変えることで通気サイクルを制御する。
- 連続通気では、急速に70℃以上に立ち上がるが、20 日目以降は 65℃以上に維持されない(図 1)。50分通気でも急速に温度が立ち上がる。20 分通気では、温度の立ち上がりが悪いが、発酵中期でも 70℃以上を維持することができる。
- 発酵期間中 20 分通気処理した場合と発酵 0~7 日目に 50 分通気し、以後 20 分通気処理した場合を比較した。発酵 0~7 日目に 50 分通気を行った場合、1 日目に発酵温度が70℃以上に上昇し(図 2)、堆肥中の大腸菌群及び大腸菌数は検出限界以下になる。30 日目においても 60℃を維持し、大腸菌群及び大腸菌の再増殖もみられない(表)。
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成果の活用面・留意点 |
- 糞中の大腸菌を早期に死滅させることができる。
- ブロアーの通気量を調整弁やインバーター等で調整する方法と比べ、管理が簡単で、設備費がかからないメリットがある。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
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