根域制限によるブドウ「ピオーネ」の密植ホリゾンタル整枝栽培の早期成園化

タイトル 根域制限によるブドウ「ピオーネ」の密植ホリゾンタル整枝栽培の早期成園化
担当機関 兵庫県立中央農業技術センター
研究期間 1997~1998
研究担当者 荒木 斉
福井謙一郎
発行年度 1997
要約 根域制限下におけるブドウ「ピオーネ」の密植ホリゾンタル整枝栽培は、早期成園化が可能で、幼木段階から大幅な早期多収となり、現在の平棚短梢せん定栽培と同等の果実品質が得られる。
背景・ねらい  現在の短梢平棚整枝栽培は、生育期間中両腕をあげたままのきびしい作業が多く、また、成園化するまでの初期収量が少ない。そこで、省力化のもと、楽な姿勢で樹体管理ができる短梢せん定のホリゾンタル(一文字)整枝栽培法を確立し、併せて早期成園化を図る。
成果の内容・特徴
  1. 本試験は図1に示すような方法で行い、根域制限は透水性のある防根シートを用いた。植栽間隔は畝間2.5m、株間5mと10m、畝幅60cmと90cmで行った。
  2. 根域制限の密植ホリゾンタル整枝栽培は、株間を5m、畝幅90cmにすることで、従来の平棚整枝に比べて、早期成園化が可能で、樹齢4~5年で成園化する。また、樹齢3~6年目の累積収量は慣行の平棚対比162%で、幼木段階から多収となる(図2)。
  3. ホリゾンタル整枝では、根域を制限しなければ、樹勢が強すぎ、着色、糖度等で果実品質が劣る(表1)。
  4. 高品質果実を得るための結果枝当たりの葉数は15葉以上で、平棚整枝の果実品質と同程度になる。摘心処理が強いほど、果粒肥大は優れるが、着色が悪く、糖度がやや低くなる(表2)。
  5. 以上、ホリゾンタル整枝栽培は株間を5m、畝幅90cmで、平棚整枝より早期多収が可能であり、結果枝当たり15葉以上を確保することで、平棚整枝とほぼ同等の果実品質が得られる。

成果の活用面・留意点
  1. ホリゾンタル整枝栽培の地表下は透水性のある防根シートで根域を制限するため、非透水性のプラスチックフィルムに比べて、土壌水分の変化が緩慢で、水分管理はかなり省力的である。しかし、盛夏期には週2回程度のかん水が必要である。
  2. 本栽培法は露地、施設ともに利用できる。

図表1 210406-1.gif
図表2 210406-2.gif
図表3 210406-3.gif
図表4 210406-4.gif
カテゴリ きび 省力化 早期成園化 ぶどう

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