降雹被害を受けたニホンナシ「幸水」の収穫時の果実品質ならびに摘果対策

タイトル 降雹被害を受けたニホンナシ「幸水」の収穫時の果実品質ならびに摘果対策
担当機関 広島県立農業技術センター果樹研究所
研究期間 1997~1997
研究担当者 伊藤純樹
三善正道
発行年度 1997
要約 幼果期(満開後18日)のニホンナシ「幸水」が、降雹によって被害果率95%の被害を受けた場合、残した果実の商品性は低く、全摘果しても樹勢が乱れないことから全摘果する。
背景・ねらい  1996年5月21日の降雹により、県中北部のナシ園では多大の被害を受け、被害の大きい樹園地では、被害果率95%、落葉率61%、裂葉率100%で、また、枝梢の折損や裂傷もみられた。
 降雹時のナシ樹は、展葉8~9枚で摘果時期にあたり、果実被害率95%の激甚園において樹体調節のため果実を残すかどうかが問題となった。そこで、軽被害果を残した場合の商品化率と摘果程度が樹体に及ぼす影響について明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. 降雹による被害果率68%の園において、幼果時の傷の大きさが直径5㎜以下の果実は、約35%出荷可能であるが、その商品価値は著しく低い(図1)。
  2. 降雹によって折損した発育枝から発生した新梢は、折損しなかったものに比べて、初期の伸長速度は早まる傾向にある。しかし、全摘果、50%摘果とも7月4日に伸長を停止し、最終的な新梢長は、折損しなかったものに比べて87~88%である(図2)。
  3. 全摘果、50%摘果区とも平均花芽着生率は、42~44%で、摘果程度による差はほとんどない(表1)。
  4. 以上のように、摘果時には軽微な傷と判断して残した果実も、収穫時には相当な障害果となり商品性は低く、また、6月4日に全摘果しても樹勢が乱れることはない。したがって、被害後の樹体回復や果実を対象とした病害虫防除が省略できることを考え合せれば、全摘果するのがよい。

成果の活用面・留意点
  1. 幼果(満開後18日)が降雹被害を受けた場合に参考となる。
  2. この成果はナシ「豊水」にも適用できる。

図表1 210410-1.gif
図表2 210410-2.gif
図表3 210410-3.gif
カテゴリ 病害虫 出荷調整 障害果 病害虫防除

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