タイトル |
ホワイトサポテの果実品質特性 |
担当機関 |
和歌山県果樹園芸試験場 |
研究期間 |
1997~1997 |
研究担当者 |
小沢良和
前田隆昭
米本仁巳
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発行年度 |
1997 |
要約 |
ホワイトサポテのハウス栽培における数品種の果実品質特性の調査によると、「ライニキコマーシャル」及び「イエロー」が糖度・食味の面から優れている。
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背景・ねらい |
ホワイトサポテ(Casimiroa edulis La Llave et Lex. )は、メキシコから中米の高地を原産とするミカン科シロサポテ属の亜熱帯性の果樹で、近年わが国にもアメリカ産のものが輸入され、高級果実として販売される。本県沿岸部の温暖な地域でも露地栽培が難しいので、ハウス栽培における数品種の果実品質特性を調査した。
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成果の内容・特徴 |
- 12月から3月まで最低気温5℃で加温したハウス栽培を行った。開花日は「ライニキコマーシャル」が2月上旬、「イエロー」、「クシオ」が3月上旬、「ホワイト」が3月中旬、「レモンゴールド」が4月上旬である。成熟期は「イエロー」、「ライニキコマーシャル」が7月下旬、「クシオ」が9月下旬、「ホワイト」が10月上旬 、「レモンゴールド」が10月下旬である(表1)。
- 平均果重は「ホワイト」が300g以上と大果で、次いで「クシオ」、「レモンゴールド」が200g前後で、「ライニキコマーシャル」、「イエロー」がやや小さく150g前後である。
成熟果の果皮色は「イエロー」、「ライニキコマーシャル」、「レモンゴールド」が黄色、「クシオ」、「ホワイト」が黄緑色である。 「レモンゴールド」の果皮に近い部分の果肉にやや苦みがある。 糖度は1994~97年の平均で「ライニキコマーシャル」、「レモンゴールド」が20前後と高く、「イエロー」、「クシオ」、「ホワイト」が16~18である(表2)。
- 果実横径は「レモンゴールド」が生育初期から7月中旬まで緩やかに肥大を続け、その後は肥大速度は鈍る。その他の品種は、生育初期から6月下旬にかけては直線的な肥大を続けるが、その後の肥大速度はやや鈍る(図1)。
- 以上の結果より、糖度、食味、成熟に要する期間等からみて「ライニキコマーシャル」及び「イエロー」が有望と考えられる。さらに、両品種とも、成熟果の果皮色が黄色となるので収穫時期の判定が容易である。
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成果の活用面・留意点 |
今後産地化に際しては、生産地域の気候(ハウス栽培が可能な)条件、消費動向、収益性、生産性等を検討していく必要がある。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
亜熱帯
品種
ホワイトサポテ
良食味
レモン
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