機械移植栽培におけるキャベツ根朽病の感染経路遮断による発病抑止

タイトル 機械移植栽培におけるキャベツ根朽病の感染経路遮断による発病抑止
担当機関 奈良県農業試験場
研究期間 1997~1997
研究担当者 : 中野智彦
発行年度 1997
要約 中山間地域における開発造成畑のキャベツ機械移植栽培において問題となるキャベツ根朽病は温湯種子消毒、セルトレイの更新ならびに潅水方法の改善によって発病を抑えることができる。
背景・ねらい  本県の中山間地域の開発造成畑で産地化が進みつつあるキャベツの機械移植栽培では育苗期及び本圃で根朽病の発生が問題になっている。機械移植栽培用の苗は育苗センターで生産しており、苗の罹病は産地全体の発生につながるので被害が極めて大きくなる。そこで本病の防除を目的に育苗技術を改善する。
成果の内容・特徴
  1. 根朽病の発生は育苗期の潅水方法の影響が大きく、底面給水で育苗することにより発病苗の蔓延を抑えることができる(表1)。
  2. 苗の発病は使用したセルトレイによって異なり、新しいセルトレイは発病が少なく、前年度に発生したセルトレイは水洗風乾後のものでも発病する可能性がある(表1)。
  3. 播種前に種子を50℃の温湯に5分間浸漬すると発病が認められず、防除効果がある。またこの方法により発芽率は低下しない(表1)。
  4. 健全苗を植え付けた現地圃場での発生は、前年の根朽病発生圃場では高率に発病し、新規造成圃場やコマツナ栽培圃場では極めて低率である(表2)。したがって、本病の防除には健全苗の育苗だけではなく本圃の選択も重要である。
  5. 以上により、キャベツ根朽病の伝染経路は保菌種子、前年に使用したセルトレイが第一次感染源となっている可能性が高く、潅水によって二次伝染を助長すると考えられる。伝染経路の遮断には温湯による種子消毒の効果が高く、セルトレイの更新と育苗期の底面給水及び圃場での発生暦を考慮することにより根朽病の発病を抑止できる。

成果の活用面・留意点
  1. 前年に使用したセルトレイの再利用は発病につながる可能性があり、セルトレイの洗浄・殺菌方法について再検討する必要がある。

図表1 210423-1.gif
図表2 210423-2.gif
カテゴリ 病害虫 育苗 キャベツ こまつな 種子消毒 中山間地域 播種 防除

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