セルトレイ底面給液によるハクサイ根こぶ病菌密度の簡易生物検定法

タイトル セルトレイ底面給液によるハクサイ根こぶ病菌密度の簡易生物検定法
担当機関 和歌山県農業試験場
研究期間 1996~1997
研究担当者 吉本 均
大須賀 ゆかり
発行年度 1997
要約 ハクサイ根こぶ病菌による汚染土壌の菌密度を推定するため、従来の生物検定法を改善したセルトレイ底面給液法を考案した。この方法は検定場所が少面積となり、管理作業も省力化でき、抵抗性品種簡易選抜や病原性の検定にも利用できる。
背景・ねらい  ハクサイ根こぶ病の防除対策には発病ほ場の菌密度や病原菌の系統の把握が必要である。土壌菌密度の検定方法は農業研究センター編「連作障害総合防除システム開発の手引き;圃場菌密度の簡易検定の手順」(以下常法)に示されている。しかし、この方法 は水受け容器上でのポット栽培のため、かん水管理が煩雑で広い面積を要する。このため、一度に省力的に多数検定できる方法を開発する。
成果の内容・特徴
  1. セルトレイ底面給液による検定手順
     (1) 検定土壌の調整は常法による
     (2) 三角形の吸水マット片をセルの底穴から6~8cm程度垂らし、検定土壌をセルに充填する(図1)。
     (3) セルトレイ板を水受けバットの上に固定した支持棒を挟み込むようにして設置する(図1)。
     (4) セルトレイ1穴あたり検定ハクサイ種子を4~5粒は種し、常法と同期間栽培して検定する(図1)。2反復とする。
  2. 本法は、検定植物の播種45日後でもセル間の汚染がない。
  3. 検定作物、検定期間が異なっても、菌密度の検定精度は常法と同様である(表1)。
  4. 本法は、水分環境が均一で、検定土壌や検定品種を替えると抵抗性品種の簡易選抜や病原性検定に利用することができる(表2)。また、常法に比べ、検定に要する面積は1/2以下ですみ、検定作物のかん水等管理労力も省ける。

成果の活用面・留意点
  1. 検定土壌が滞水しないため根腐れによる枯死は少ないが、春秋期のべと病の発生に注意し、初期防除に努める。

図表1 210426-1.gif
図表2 210426-2.gif
図表3 210426-3.gif
カテゴリ 病害虫 栽培技術 省力化 生物検定法 抵抗性品種 はくさい 播種 品種 防除 水管理 連作障害

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